写真・仲程長治 文・シマネコキネマ

 

冷たい海風を防ぐように、フクギの根元で丸くなっていたやんばるマヤー一家。幹に残された爪研ぎの跡が、一家の歴史を感じさせる ©シマネコキネマ

 亜熱帯の森に覆われた山々が連なる沖縄本島北部は、山原=やんばると呼ばれている。同じ島であっても、那覇のある中南部に比べてやんばるは雨が多く、気温も低い。特に冬場は海からの冷たい北風が強く吹きつけ、海も空もどんよりと曇っている日が多くなる。そんなやんばるで暮らしているたちは、やはり町で暮らしている猫とは顔つきも動きも違っていて、どことなく野生の匂いを漂わせている。

 

やんばるのおいしい水で作られているオリオンビールのケースの上でお昼寝。かすかな残り香が心地よい?

リードに繋がれて吠える気のない番犬の前で、門番はワタシよと言わんばかりにどっしりと居座っていた母猫

 とある海辺の集落で暮らしているマヤー(沖縄の言葉で猫のこと)一家は、いつ見ても木の根元や軒下に集まって丸くなり、兄弟同士、母子同士でくっつき合って暖を取っていた。雨風による寒さも猫にとっては大敵だが、ハブや猛禽類も多いやんばるでは、個人主義の猫たちも助け合って生きていかなければならないのだろう。このマヤー一家は人慣れしていなかったので、最初はカメラを見せずにじわじわと近づいて、ただ彼らを眺めているだけの時間を何度も重ねることで、ようやく警戒を解いてもらうことができた。

 

いつも冷蔵庫の上で番を張っている猫強面(ねここわもて)。ワル、と呼ぶのがピッタリの目つきだ

あと3センチ近寄ると、シャー!と怒られる。彼女の逃げ場はクワズイモの葉っぱの影なのだ