写真・仲程長治 文・シマネコキネマ

 2017年、この連載と同時に撮影をスタートした島映画『Nyaha!』のプロローグ編、『Nyaha!Part#0』が完成し、2018年の4月19日~22日に開催された「島ぜんぶでお~きな祭 第10回沖縄国際映画祭」の特別招待作品として上映された。……ということで、今回はその記念として、『Nyaha!』の舞台である架空の南の島、「ニャハ島」の島猫キャストたちをご紹介しよう。キャストといっても、もちろん本人(猫)たちにその自覚はないので、あしからず。

クリクリとした目が印象的だった木登り子猫、ゴサマル

 予算ゼロからスタートした本作品の制作資金は、主にクラウドファウンディングを通じて「島猫大使」になってくださった皆さまからのご支援に支えられている。その「島猫大使」大募集のキービジュアルという大役に抜擢?されたのが、「ゴサマル」という子猫だ。ゴサマルとは、琉球王府時代の武将であり、名築城家としても知られる護佐丸のことではなく、このキジトラの子猫が、いつも夕方5時30分(ゴ・サン・マル)になると草むらの中から現れることから、付けられた名前である。

 

いつも人間界の流れをじっと見つめているマドンナ

 映画『Nyaha!』を撮り始めた時、いちばん最初に「追いかけたい」と思った猫が、このマドンナだった。マドンナというのは私たちが勝手に付けた名前だが、国際通りで彼女を見かけたり、撮影したりした人はかなりの数に上るだろう。いつも同じポーズで店先に座り、行き交う人や車の流れをじ~っと見つめている彼女は、監督いわく「シマを知り尽くし、時代と世代の流れを紐解く猫」だという。少し遠くから観察していると、声をかけられたり、触られたり、写真を撮られたり……人間たちに大人気なのだが、当の本人(猫)は実に迷惑そうで、その様子がまた面白いのだ。

 

癒し猫のわたみっちょんは、SNK28のプロデューサー役

 ポヨンとしたおなかの毛を風に揺らしながら、気持ちよくベンチに座って昼寝をしていたこの猫は、作家の仲村清司さんに「わたみっちょん」と名付けられた。「わた」とは、沖縄の方言で「おなか」のこと。その恰幅の良さ、撮影中のカメラマンの膝の上でも眠ってしまうズーズーしさから、SNK28というアイドル島猫グループのちょい悪プロデューサーという役柄を与えられることになった。

 

ミミズクのような耳と、黄色い片目が鋭いサビ猫

 子猫の頃のカラスとの激闘の結果なのだろうか…石垣島の片目のサビ猫は、個性的な風貌とは裏腹にとても人懐っこくて、撮影していると「ねぇねぇ、何してるの?」という感じで必ず近寄ってきた。その結果、特に役名はないのだが、映画の冒頭や主題歌「わしま」が流れるシーンなど、印象的ないくつかのカットに登場している。

 

まるで絵画のような風景の中に、島猫が潜んでいる

 数ヶ月間の猫撮影を通じて上達したのは、緑の影や塀の隙間などに潜んでいる猫を見つけることだ。(ただし、それが実生活において何の役に立つのかはわからないのだが……)緑のカモフラージュの中に隠れていた猫も、「たぶん、誰にも見られていないぞ……」と思っていたはず。こんなふうに島猫映画『Nyaha!』では、島猫たちが暮らしている足元の自然風景も、大切な要素のひとつになっている。

 

太陽光は猫にとって癒しのシャワーなのだ