写真・仲程長治 文・シマネコキネマ 

石垣島は、屋根の上や緑の隙間から人間たちを見つめている「見守り」の多い島だ

   2018年9月。島猫映画「Nyaha!」の撮影が始まってこの夏でちょうど1年が過ぎ、季節も一巡りした。何度も通った場所では島猫たちともすっかり顔見知りになり、「あんたたち、また来たのか。餌はくれないけど、まぁ危害は与えないみたいだし、好きにしたらいいさ」という感じで、撮影を許してくれるようになった。中には、私たちの顔を見るとすぐに駆け寄ってきてしまうため、撮影できなくなってしまった猫もいる。

 

餌をもらってお世話をされても、人間との一定の距離感を絶対に崩さない猫たちもいる

いつも緑の中で目を細めている白猫。バランスの良い立ち姿が印象的だ

 石垣島には『Nyaha!』のロケ地としてトップ3に入る頻度で訪れているのだが、顔見知りになった猫の姿がいつの間にか見られなくなることも多く、外猫たちの変化が激しい印象がある。それはつまり、島猫たちの生活環境の厳しさを現していて、台風の危険にさらされたり、餌を求めて別の場所に移動したり、縄張り争いで住処を追われたりしているのだろう。

 

港周辺にたむろしている一族。陸揚げされた船を屋根にして雨風をしのいでいる

クルーザーの下で子育て中のお母さん猫。毎日大変なのよ、という視線を投げかけてきた

 そんな石垣島の中でも、18番街を住処にする島猫たちは比較的安定していて、定期的にお世話をしている人の存在が透けてみえる。島の暮らしの中で、猫はいつでも「そこにいる」存在として人間たちと共生してきた。けれども、これから先も開発が進んでいくこの島で、人も猫も増え続けていったら…と考えてしまう。

 島の自然と、そこで営まれてきた人間の暮らしと、人間に寄り添ってきた島猫たち。その距離感とバランスを、見つめ直す時なのかも知れない。

 

かつての繁華街、18番街。彼女は「キティラブ」の近くにいつもいる

人慣れしていない猫が多いのだが、カメラを向けるとポーズをとってくれた

命がけでテリトリーを守り、メスの誘いに応じる。オスの暮らしは過酷なのだ

【琉球島猫百景 vol.15 石垣島〈2〉】(2018.9.25)

撮影協力・日本トランスオーシャン航空

[日本トランスオーシャン航空]