写真/仲程長治 文/シマネコキネマ 

ハワイ島、ヒロの町で出会ったショーウィンドウの黒猫。タロイモの葉に隠れている ©シマネコキネマ

 ハワイ島の東海岸にあるオールドタウン、ヒロ。古典フラの撮影で訪れたこの町では、到着すると同時に「猫の気配」を感じた。車を降りて島猫探しをスタートすると、海沿いにホテルが建ち並ぶエリアの一角で、最初の猫に出会った。数年前には賑わっていたローカルホテルが廃業しており、その宿泊棟とレストランコーナーが野良猫たちのたまり場になっているようだった。久しぶりの来客を最初は少し警戒していたが、しばらくすると撮影を許してくれた。

 

ハワイ島で最初に出会った1匹。廃ホテルの入り口に咲くジンジャーの花の下で門番をつとめていた

やはり港には猫がいる。港近くの人気シーフードレストランの裏でおこぼれを待つホームレスキャット

 季節風が運んでくる潮の香りをたどって歩いていくと、バニヤン・ドライブと名付けられたバニヤンの並木道が現れた。ハワイ島の植生は沖縄とよく似ているが、台風の到来が少ないせいだろうか。沖縄のガジュマルよりもずっと立派な長老級のバニヤンツリーが多く、美しい。その根元にはふかふかの木の葉のベッドが広がっていて、猫たちの格好のお昼寝場所になっていた。

 

ちょっぴり長毛のチャトラは、どうやらこのバニヤンツリー周辺のボスらしい

木の葉のベッドはふかふかで、晴れた日にはポカポカして気持ちいいのよ

 国外最大の日本庭園でよく知られているリリウオカラニ公園では、予想以上に多くの猫たちと出会った。
昼間に訪れた時には数匹しか姿が見えなかったのだが、夕方に再び訪れると、野良猫たちがわらわらと姿を現し始めたのだ。沖縄の猫たちと同じように、陽射しが強い日中は草むらの中や木の上に隠れているのだろう。

 

沖縄よりも緑が色濃いハワイ島。ソテツの向こうから様子を伺っていた
風光明媚な公園の片隅で大アクビ。南の島の猫たちはどこかゆったりしている

 リリウオカラニ公園の野良猫たちは、よく見るとみな耳先がカットされており、避妊・去勢手術を施されていることがわかる。健康状態もよく、公園の一角にあるバニヤンツリーの下には大きな餌場と水場もあって、お世話をしている人の存在が感じられた。しかし聞くところによると、一部の餌やりさんのマナー違反など、野良猫に関する問題は少なからず起きているらしい。ハワイも沖縄も多くの観光客をお迎えする南の島として、「島猫たちがゆったりと過ごす風景」を失ってほしくない。しかしその鍵を握るのは、やはり私たち人間なのだ。

 

「私たち、この木に守られているんですよ」とばかりに、凛々しい視線を送ってきたバニヤンキャット