写真/仲程長治 文/シマネコキネマ 

民家の軒先に勢揃いした一族のみにゃさん

 沖縄本島の北部、緑の山々に囲まれた「やんばる」と呼ばれるエリアに位置する大宜味村(おおぎみそん)は、沖縄が長寿県ではなくなってしまった今でも、「長寿の里」としての存在感を放っている。

 その秘訣は、伝統的な食生活や祭祀にあると言われているのだが、風光明媚という言葉がピッタリなこの村のご長寿の皆さんと、島猫たちの暮らしぶりからも伺い知ることができる。

 

それ以上近づくと…鋭い威嚇の視線を送ってきた母猫
暑い冬の日、日陰に隠れてお昼寝中だったキジトラ子猫

 大宜味村が掲げている「長寿日本一宣言」の石碑には、「80(歳)はサラワラビ(童)、90(歳)となって迎えに来たら、100(歳)まで待てと追い返せ。我らは老いてますます意気盛んなり、老いては子に甘えるな」という言葉が刻まれている。実際に、朝早くから畑を耕し、集落内の役割や年中行事を笑顔でこなすご長寿陣のパワーには本当に圧倒される。

 そして、この村の猫たちも同様に、たとえ人に飼われていたとしても、「家猫」という種として自立し、実に堂々と暮らしているように見える。

 

一斉に向けられた「あんた、誰ね?」という眼差し
「もう無理」という距離感になると一目散に逃げ出す猫多し
シマの神を招き入れ、祭祀をおこなう神聖な場所でおなかを見せる猫

 大宜味村の猫たちの特徴をひと言で現すならば、「チューバー(強い)」だろう。しっかりと自分のシマ(地域)に一族として根差し、生涯をこのシマで穏やかに過ごす。

 大宜味村にはたくさんの祠や拝所があるのだが、ある日、塩屋集落の根神を祀った祠の屋根にボスとおぼしき猫が鎮座していた。集落の片隅で、日常とは別の次元からシマを見守っている拝所と猫は、存在としてどこか似ていると思う。

大宜味村、塩屋集落の根神を祀った祠に猫がいた
近づくと、ボスの貫禄を備えた立派なオス猫だった

 

【琉球島猫百景 vol.18 大宜味村「長寿の村のチューバーマヤー」】(2018.12.25)