写真・仲程長治 文・シマネコキネマ 

那覇市内のとある公園にて。島映画『Nyaha!』の撮影でよく訪れた場所の一つだ

 島猫映画『Nyaha!』のプロローグ編『Nyaha!Part#0』が2018年に第10回沖縄国際映画祭で初上映されてから、ちょうど1年が過ぎた。ニャハ島のモデルとなった、那覇の町で暮らしている島猫キャストたちとの付き合いも2年越しとなり、野良猫と呼ばれている彼らの中には、台風前に保護されて飼い猫になったものもいれば、縄張り争いに破れて静かに姿を消したもの、その場により馴染んで成長しているものなど、それぞれのニャン生にも変化が現れている。

 

「島猫きょうだい」として登場してくれたシロミケ。成長し、木登りが上手になった

こちらも「島猫きょうだい」の一匹。体が大きくなっても木の下で眠る習慣は変わらない

島猫たちを見守る「猫菩薩」を演じてくれた美ミケ猫は、公園東側のボスとして健在

『Nyaha!』に登場している島猫たちは、そのほとんどが飼い主のいない猫たちなので、関わっている人間の数だけ名前がある。私たちが「なちぶー」と呼んでいる泣き虫顔の猫も、「ミーちゃん」だったり、「シロ」だったり、「ミーコ」だったり、日々たくさんの人間たちにいろいろな名前で呼ばれ、そしてそのすべてに(正しくはエサをくれる人間だけに)「ニャー」と応えている。その小さな生命のたくましさとしたたかさからは、学ぶべきことがある。

 

最初は警戒していた猫たちとも、この2年でずいぶん距離が近くなった

夏が近くなると、風通しの良い水飲み場の上が彼女の定位置となる
いつも月桃の下にいた「サンニン」。台風後に姿を見せなくなった

 彼らには、人間が決めた暦も元号も関係ない。人間社会の中で起きている変化もわからない。それでも、季節によって変わる快適な居場所や寝床を知っているし、毎年、同じ時候になると姿を見せる猫もいる。猫は、本当に不思議ないきものだと思う。飼い主はいなくとも、むやみな繁殖を防ぐために「さくらねこ」にしてくれた人や、毎日エサを持ってきてくれる人、公園の掃除をしてくれる人など、やさしく見守ってくれている人間たちがいるからこそ、ニャハ島の島猫たちはニャン生をまっとうできるのだ。

 

ニャハ島の「ねこ市長」は、今日も蛇口をひねってくれる人を待っている

白猫の「なちぶー」は、自分の毛色と同じ白い手すりの近くにいることが多い

赤瓦と福木と島猫と。ニャハ島の幸せな原風景である

【琉球島猫百景 vol.22】(2019.4.22)