写真・仲程長治 文・シマネコキネマ 

雨と緑が生み出した神々しい光の中に佇み、じっとこちらを見つめていたミケ

 神の島、久高島。琉球を創造した女神、アマミキヨが降り立ったとされるこの島には何度も訪れているのだが、足を踏み入れるたびに自然と厳かな気持ちになる。
 2年ぶりとなった今回の上陸はあいにくの土砂降りで、「これでは島撮影は無理かな…」と半ば諦めつつ、集落の中を静かに歩いた。晴れの日ならばレンタル自転車で駆け抜けてしまう筋道を、ゆっくり島猫の目線で追いかけながら歩くと、軒下や縁側で雨宿りをする姿を見ることができた。

 

石垣からひょいと登ってスラブヤーの軒下へ。濡れたからだを身繕いしていた
本格的な夏稼働を前に休憩中の氷入れの上でチャトラも休憩中
島ぞうりを枕にお昼寝。ぞうり枕は島猫の定番なのか、他にも何匹か見かけた

 あちこちに聖地や御嶽が点在する島のとある拝所で、いつものように撮影のご挨拶をした。するとほどなく本降りだった雨が小降りになり、あちこちから島猫たちがワラワラと表に出てきた。レンズを向けると呼ばずとも近づいてくるその様子は、まるで「撮りにきたって聞いたから出てきてあげたんだけど? 早く撮りなさいよ」と言わんばかり。どうやらこの島の猫たちは、自然の神々と連絡を取り合っているらしい。
 久高島はやはり不思議で、特別な島なのだ。

 

印のような文様を顔にいただいた猫。石敢當の前に座ってじっと見つめたあと、おもむろに近づいてきた
旅人の匂いをクンクンと嗅ぎ、「あなたは安全な人だね」と納得してから撮らせてくれた
さて、何匹いるでしょうか? 右側には「ニャっこりはん」も。このあと、彼らに囲まれることとなる

 沖縄の梅雨は、明けると同時にやってくる厳しい夏の暑さに備える季節だ。土と木々はたっぷりと水分を貯え、生きものたちはあまり動かずに体力と気力を蓄える。そのせいだろうか、雨粒をまとった島の草花は輝くばかりに美しく、目に光を宿した島猫たちの表情は時に神々しくさえある。
 昔から、島の自然と共にある人の暮らしと、その人に寄り添うように生きている島猫たち。神がつくった絶妙なバランスを大切にしていきたい。

 

島の野草、ニガナと島猫。細く刻んだニガナの和え物は、久高島の名物料理のひとつ
「島の特産も買わんで帰るのか!」と追いかけてきた営業猫。はい、買いますよ!
港近くの食堂で雨宿りをしていた二匹。ぴったり寄り添って梅雨明けを待っていた