写真/仲程長治 文/シマネコキネマ 

夜、ライトアップされた白砂の道を島がゆく

 #25から引き続き、渡名喜島の島猫散歩の様子をお届けしよう。赤瓦の屋根、白砂の道、福木並木という沖縄の原風景が残る集落は、どこからでも島猫が現れてきそうな雰囲気に満ちている。島猫の目線を辿るようにゆっくり歩いていると、いかにも猫たちが好きそうな縁側の日陰、隣の屋敷と塀との隙間、屋根から屋根へと渡れる軒先などがあちこちにあり、人の暮らしの中に島猫の居場所をたくさん見つけることができる。

 

福木に囲まれたブロッグ塀の上でしっぽを垂らす2匹
こちらは10匹を超える大家族。風通しの良い場所でゆくっていた

 結局、集落内をのんびり2時間ほど散歩して、20匹以上の島猫に出会うことができた。渡名喜島の人口は約400名、日本で2番目に小さな自治体だから、もしかすると人間より島猫に会う確率の方が高いかも知れない。島の猫たちの多くは首輪こそしていないが、ちゃんと雨風をしのげる寝床や餌場を持っているようで、穏やかに、そして自由に暮らしていた。中にはハブに噛まれたのか?鼻先を怪我していたり、メスを巡るオスたちの熾烈な争いの様子も見られたが、人間に寄り添うためのルールよりも、猫社会のオキテの方がまだ強く存在していることが感じられた。

 

井戸の上でサンゴ石を枕に昼寝中
エキゾチックな顔つきの猫も多かった
洗濯物、サンダル、シブイ(冬瓜)、そして猫

 渡名喜島の見どころをもう一つ。港近くの役場を起点とする村道1号線は、夜になるとフットライトが点灯し、集落内が美しくライトアップされる。暗闇の中に白い道がぼんやりと浮かび上がり、そこを島猫が歩くと…まるで舞台の花道のように幻想的だ。そして、これから始まる夜こそが、彼らの本番タイムなのだ。

 

道端で親猫が子猫を遊ばせていた。ユウナの花がオレンジに色づく夕暮れの島風景
風が通り抜ける塀の上で、島を見守るシーサーのように子猫が鎮座していた