訪れたのは日没の少し前、釣り用語では魚が活発に動き出す「夕まづめ」の時間だが、ここの猫たちにとってもちょうど夕食タイムのようだ。行き交う車の中からボランティアさんの車のエンジン音を聞き分けて、テトラポットや草むらの間から20〜30匹程度がわらわらと姿を現した。エサを取り合って争うことはせず、鼻先で挨拶を交わして、お互いに今日の無事をねぎらっているように見えた。

 

ひときわ高い位置から全体を見渡していた黒ボス

黒ボスは毛艶が良く、実に健康そう。穏やかな表情を浮かべていた

 L字型の防波堤沿いにはいくつかのグループがあるようで、それぞれが別のボランティアさんからご飯をもらっていた。

 そして、その様子をひときわ高いところから見守っている1匹の黒猫がいた。他の猫たちが夕食にありつく様子を満足気に眺めている姿は「ボス」と呼ぶにふさわしい貫禄をまとっている。

 防波堤や漁港には釣り人が多いのでエサにありつく機会も多いのだが、同時に、釣り針を吞み込んだり怪我をしたりというリスクも高くなる。黒ボスの視線は、「みんな、明日また元気な姿を見せてくれよ」という祈りのように感じられた。

最初は警戒していた猫も、カメラに馴れてきて、「撮るなら早く撮ってね」と大あくび

「またね!」の呼びかけに振り向いてくれた。今日も明日も「生かされている」ことに感謝

【琉球島猫百景 vol.37】(2020.7.12)