写真/仲程長治 文/シマネコキネマ 

一瞬、目を疑うような光景がこの島の日常

 国立公園にも指定されている美しいサンゴ礁の海が、世界中のダイバーに愛されている慶良間諸島那覇からは高速で小1時間ほどの距離だが、訪れるのは実に15年ぶり。以前から渡嘉敷島と座間味島にがいることは聞いていたのだが、阿嘉島の情報はなかったので「運よく猫に会えたらいいなぁ」ぐらいの感覚で訪れた。
 午後からの撮影をひとしきり終えて、陽射しが和らいだ16時過ぎに小さな集落の散歩に出かけると、まず最初に出会ったのは島猫ではなく島鹿だった。

 

最初に出会った1匹はさくらねこ。小首をかしげて様子を窺っていた
離島らしい風景の中で、家主の帰りを寝て待つ
御嶽の一番いい場所でうたた寝をしていた

 慶良間諸島には、日本でいちばん小さな「ケラマジカ」という鹿が生息している。天然記念物にも指定されてる希少な固有種で、15年前の阿嘉島ではそう簡単には出会えなかったのだが、島の人によれば、最近は集落の近くでもよく見かけるそうだ。

 結局、小1時間の散歩中に出会ったのは、4頭のケラマジカと3匹の島猫、そして1人のおばぁであった。鹿も猫も人を極度に怖がることはなかったが、近づくと離れる一定の距離感を保っていて、まだきちんと野生が残っていることを感じさせた。
 …そしてこの後、私たちは非常に珍しい光景に出会うことになる。