写真/仲程長治 文/シマネコキネマ 

パナリ島では住民よりも先に住に出会った

 石垣島の南西に浮かぶ竹富町の島々のうち、石垣島からで渡れる島はぜんぶで9つ。2020年の夏は、そのうちの7つの島を巡って5つの島で島猫に出会うことができたので、いくつかご紹介しよう。

 まず、新城(あらぐすく)島。上地島と下地島の2つの島からなり、地元では「パナリ」とも呼ばれている新城島は、定期船が就航していないため、島民が主宰するシュノーケルツアーに参加しなければ上陸ができない。島猫の撮影のために訪れたわけではなかったのだが、初上陸した上地島で最初に出迎えてくれたのは、背中にかわいい八重山諸島の模様が入った、まだ幼さの残る島猫だった。

 

観光客の足元にすり寄ってお弁当をおねだり
午後は、風通しの良い縁側でずっとお昼寝

 静かな南向きの集落は、真夏でも涼しい風が通り抜けて心地よかった。ツアーのガイドさんいわく、「近所のオバーが連れてきた」というその猫は、人見知りもせず観光客にお弁当のおこぼれをねだり、ほんの少し天ぷらを食べると、夕方まで縁側で昼寝をしていた。その表情は、数ある離島の中でもひときわ高い透明度を誇る、パナリ島の海のように穏やかで平和だった。