12月26日 [SUN]

 昨夜買っておいたパンを朝食べる。ずっとデスクワーク。たまりにたまったインタビューの文字おこしを続ける。夕刻、パートナーは桜坂劇場へ映画を観にでかけた。ぼくは「陶 よかりよ」に寄って取り置きしておいてもらったキム・ホノ作品を受け取る。パートナーと桜坂劇場の「サンゴ座キッチン」で合流、浮島通りの古着屋「ANKK(アンク)」に寄って店猫を撫でまわし猫エキスをいただき、またしてもセンベロ寿司の「米仙」へ。肌寒い半屋外で超安で美味い寿司を食べる。『沖縄ひとモノガタリ』でも書き下ろした玉城史奈子さん御一行とぐうぜんばったり、盛り上がる。

 

12月27日 [MON]

 ご近所の「march lifestyle&green」のなかで営業している「モガメン」でまぜめんを愛する男・茂上隆行さんの絶品・琉球まぜそばと餃子を食べてから、琉球新報社へ忘れていた老眼鏡を取りにいったら、ジャン松元さんと波平雄太さんにばったり会う。波平さんは事業部にいるので新刊関連のイベントを考えてねと頼んでおいた。書店「リブロ」に寄って『沖縄ひとモノガタリ』についてプロモーション。まだ入荷していなかった。拙著(文庫版)の『沖縄アンダーグランウンド』が文庫売り上げの三位に入っていてうれしい。仕事場に帰還してデスクワーク。来年出す本の中で、一冊は書き下ろしなので、その作業にもう入っている。じゃないと間に合わない。晩飯は栄町の「ちぇ鳥」へ歩いて行って焼き鳥と芋焼酎で晩飯。大将の崔泰龍さんが「大晦日もやりますからね」と笑っていた。実家の京都には帰らないらしい。

 


『沖縄ひとモノガタリ』
「琉球新報」2019年1月~2021年12月まで連載された人物ルポルタージュ「藤井誠二の沖縄ひと物語」に10人の書き下ろしとポートフォリオ写真を新たに追加し書籍化。
人々が紡ぐモノガタリは潮風が吹き、緑がそよぎ、唄も聞こえてくる。 なにやらこの人たちに会うためにページをめくっている気分になる。
ご購入はコチラから→琉球新報ストア

沖縄アンダーグラウンド 売春街を生きた者たち (集英社文庫)
沖縄アンダーグラウンド 売春街を生きた者たち (集英社文庫)

2010年代初め、「沖縄の恥部」とまで言われた売春街が、浄化運動によって消滅した。戦後間もなく駐留する米兵たちによる性犯罪や性病の蔓延を緩和するための色街だった。著者は売春に従事する女性、風俗店経営者、ヤクザに綿密なインタビューを敢行。なぜ米兵や県外の観光客までこぞって遊びに訪れた色街は消されたのか? 沖縄の"もう一つの戦後史"を炙り出す比類なきノンフィクション。

 

12月28日 [TUE] 

 早朝に起きてしまい空腹を覚え、カップラーメンを半分だけ食べる。そのあと二度寝して、11時すぎに牧志の沖縄そば屋の「金月」へ歩いて食べに行く。そのあとタクシーとバスを使って、イオンライカムに入っている未来屋書店と、浦添のパルコのHMV&BOOKSをまわり、営業。合間にちょっとした取材。ライカムの未来屋書店では店長は不在だったけれど、色紙にサインを書かせてもらって恐縮。ポップに使ってください。それにしても、イオンライカムの住所は「北中城村字ライカム一番地」というんだな。知らなんだ。

 浦添のカーミージーの海はやはり美しい。ずっと曇天や雨天続きだったので、しばし海風に吹かれる。軽石の漂着はほとんどない。晩飯は栄町の「アラコヤ」で焼きトンなどを食す。パートナーはここのシャルキュトリのファンなのでそれをほぼ二人前食べていた。『沖縄ひとモノガタリ』はジュンク堂書店でこの三日間だけで50冊近くが売れた。

 

12月29日 [WED]

 

 

 デスクワーク。朝昼兼用で散歩がてら栄町まで行って「ヘンサ森」でチャンポンを喰う。帰途に雨がぱらつき出した。帰還してまたデスクワーク。ひたすら「聞き書き」の文字おこし。遅い午後、パートナーは東京に帰った。夕刻、栄町ロータリーで岡本尚文さんと普久原朝充さんと合流して「ムジルシ」でオリジナル焼売をつまみ、「鳳凰餃子」へ移動。そしたらジュンク堂書店の森本店長からお誘いの連絡があり、ご自宅へ。芸人さんやメディア関係者がわいわいと鍋をつついていた。いつも沖縄のケーブルテレビで「街歩き」番組[沖縄よんな~街歩き こんにちは!ベンビーです。]で見ている芸人のベンビーさんに会えた。「首里のすけ」さんにも。彼は芸能事務所・オリジンのベテラン芸人さんで、事務所を率いている。浮島通りにある古書店「ブンコノブンコ」の饒波夏海さんもいらした。深夜に二時をまわっので、岡本さんにクルマで送ってもらった。

 

12月30日 [THU]  

 沖縄そばをつくって食べて、デスクワーク。今日は泊の「串豚」で年末行事の、店主の喜屋武満さんが、客のつぐ酒をぶっ倒れるまで飲み干す(客の勧める酒を断らないルール)というイベントがあるのだが、明後日の朝早いフライトなので、おじゃましようかなと思っていたが、家にひきこもって仕事をすることにする。なんか体調もイマイチだし。

 

12月31日 [FRI] 

 朝早いフライト。空港でビビンバ弁当450円をかき込む。米の量が多すぎてすこし残してしまった。機内でドキュメンタリー「三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実」(豊島圭介監督・2020)を観る。討論自体は観念的な言葉が飛び交い、「討論」というかんじはなかったが、三島の大教室を埋めた千人近い学生活動家たちを飲み込もうとする姿勢が印象深かった。三島が自決し、学生運動も社会から乖離し消え去っていく状況が描かれたあと、当日に司会を務めた木村修さん ─その後、地方公務員となり、三島の研究を続けた─ が、沈黙のあと、学生運動は敗北ではないのかという映画制作者の質問に対して、[敗北とは思っていない。一般的な社会風潮に拡散しちゃったと思っている。]、[時間がかかった。しばらくは自分の人生、やってんだろうって」と語るシーンが終わりのほうにあり、印象に残った。機内で途中まで観たドキュメンタリー映画「君はなぜ総理大臣になれないのか」(大島新監督・2020)を帰宅してから続きを観る。一足先に東京に帰っていたパートナー(同居人)は実家に帰ったので、一人で牛丼を食べる。格闘技の大晦日大会をちら見しながら仕事をして、年を越した。みなさま、来年もよろしくお願いします。

沖縄にも暮らす二拠点生活の日記 vol.22】

*筆者の近況はtwitter(https://twitter.com/seijifujii1965)でご覧いただけます。

*次回もお楽しみに!