「海外ではその国の食べ物に果敢に挑み続ける」のスタイルを貫いていたというのに、いつの頃からか、途中で「ちょっと休憩」などと思うようになった。


「外国に行ってまで和食を食べるなんて、信じらんな〜いっ!!」


 青二才の頃は、こんなふうに言って出張族のオジサンたちを見下していたのに、いつの間にか、彼らの気持ちがわかるようになった自分がいる。

 

現地の食べ物を堪能するのも旅の楽しみのひとつ。出発前、パンフレットなどを眺めつつ、「あれ食べよう、これ食べよう」と心を躍らせるのだが……。

 

      現地のごはんを「休憩」したくなるわけで。


     遊びならまだしも、仕事だと、なんだかんだ言っても、ずっと気が張り詰めているもので、せめて食べ物でホッとさせられたいというか……。
    ただ、私の場合、「何が何でも和食!」ということでもなくて、アジア(日本を含む東アジアから東南アジアにかけて)のごはんなら満足するようで、自分なりに考えてみたところ、「鍵を握っているのは〝醤(ひしお)〟じゃなかろうか」、という結論に辿り着いた。

 

   日本だとしょう油や味噌が代表的な醤だが、中国にはしょう油以外にも甜醤、豆板醤などがあるし、韓国ならコチジャンやテンジャン、タイはナンプラー、ベトナムはニョクマム、インドネシアはトラシ——と、東アジアから東南アジアにかけての国々には、「醤」に分類される調味料がある。

 

   私の祖先はどこからやってきたのかわからないけれど、どうせアジアのどこかには違いないだろうから、私のDNAには醤を求めるヘキが組み込まれているのではないか。醬が使われた料理を口にするとホッとするのは、こういうことではなかろうか。

 

モンテビデオでは〝学食〟にもトライ。場所は、市中心部に位置するカトリカ・デル・ウルグアイ大学のカフェテリア。この大学の前身は、ムヒカの妻ルシア・トポランスキーが通ったカトリック系のお嬢様高校。ルシアの足跡を辿るために見学に訪れ、ついでにカフェテリアに寄ってみたというわけ。ちょうどランチタイムと重なったため、結構な賑わいだった。手前のショウケースに並んでいるのは、サンドイッチなどのパン類。
今どきは日本でもそうらしいが、この大学のカフェテリアも充実の品揃え。写真のように、サラダ類だけでも、この品目。ちなみに、ライスは、このショウケースに並んでいた。
生野菜に飢えていた私たちはサラダメインの昼食に。でも、「やっぱり、もうちょっとボリュームが欲しいよね」ってことで、骨つきチキンとカツレツとキッシュをシェア。このランチメニューで十分ワインが飲めてしまう(もちろん、飲んではいませんが)!

 

    理屈はさておき。
    とにかく、私は外国(アジア以外)に行くと、途中で一回くらいはアジアごはんが食べたくなる。
    しかし、東京のような大都会ならいざ知らず、小さな街なら、和食を始めとするアジアごはんのレストランを探すだけでもひと苦労だったりする。が、中華料理だけは例外だ(と、私はずっと思い込んでいた)。

 

    海外に行く度、つくづく感心するのだけれど、世界中のあらゆる土地にチャイナタウンがある気がする。かつて、カリブ海に浮かぶセントマーチンという島に行ったことがある。当時、現地の人から「日本人に初めて会った」と感激されたほど、いろいろな意味で遠い遠い場所だったのに、そんな島にも、小さいながらチャイナタウンがあった。
   それくらい中国大陸にルーツを持つ人たちは世界に散らばっているということで。それだけに、彼らが広めた中華料理は世界中で食すことができるということで。チャイナタウンがない街でも、中華料理のレストランを見つけるのは、そんなに難しいことではない。
   というわけで、その土地のごはんを「ちょっと休憩」したくなったら、たいていの場合、私は中華レストランを探すことにしているのだが……。
    世界でもっとも貧しい大統領の国・ウルグアイには〝特殊な事情〟があったのだった!!!!