文・写真/サラーム海上

 

 日本政府は2021年12月1日以降、イスラエルからの帰国者の検疫措置を厳格化した。帰国者は検疫所が確保する宿泊施設で6日間の待機(現在は3日間に短縮されている)と、その後自宅での8日の自主隔離措置が取られた。12月1日に帰国した僕はそのとばっちりを受け、隔離ホテルで6泊過ごすことになった。今回はイスラエル出張もたったの6泊だったのに、隔離ホテルも6泊とはなんと理不尽な!

■6泊の隔離ホテル生活がスタート

 12月2日午前4時。僕は羽田空港近くの隔離ホテル「ヴィラ・フォンテーヌ・グランド羽田」の11階にある部屋のベッドの上で時差ボケに悩まされ、目が覚めてしまった。前日、イスラエルからドイツ経由で帰国し、空港での検疫手続きに四時間半かかって夜8時半に隔離ホテルにチェックインした。眠りについたのは深夜を過ぎていたが、時差ボケがひどく、3時間ほど眠っただけで、もう眠れそうになかった。

 ちなみに検疫措置においては、帰国した当日はカウントせず、その翌日を第1日と数える。なので、強いて言うならこの時間はゼロ日目の深夜、もしくは第1日の朝が始まる前となる。

 部屋の面積は18平方メートル。狭苦しくはないが、けっして快適な広さとは言えない。ホテルの窓は元々開かない造りだが、期間中は入り口のドアすら開けられない。換気はエアコンと空気清浄機に頼るしかない。窓のカーテンを開けると、眼下にまだ真っ暗で人っ子一人いない羽田空港第三ターミナルが見える。一体どうやったら、少しでも快適にこの長い監禁生活を過ごせるだろうか?

「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ!」

 ちょっと大げさだが、ダンテの神曲のこの言葉が真っ先に僕の頭に浮かんだ。

 仕方ないのでMacbookでディズニープラスを開いて、配信が始まったばかりのザ・ビートルズの8時間にわたるドキュメンタリー「Get Back」を観始めた。なんだよ、ポールもジョンもこの時はまだ仲良かったんじゃん! ジョージは長年の恨みつらみがあるようだけど、半世紀以上も言われ続けていたメンバー不仲説はなんだったんだ? そんな訳で6日間のストレス解消法はネットフリックスとディズニープラスに限りますな!

12月2日午前6時過ぎ、隔離ホテルの窓からは羽田空港第3ターミナル
壁の大型テレビにはネットフリックスやヨガ動画アプリも。これがサバイバルの希望の星に!