■地元民や復興事業関係者が集う酒場で

石巻線・渡波(わたのは)駅から今回の宿『Sun Fan Village』に向かう途中にある居酒屋『金魚』。

この店の外観を見て思い出したのが、小栗康平監督の映画『眠る男』(1996年)。我らが国民俳優アン・ソンギが出演し、日本の役所広司やインドネシアの名優クリスティン・ハキムと共演したことで話題に。劇中、クリスティン・ハキムがホステスとして働いていたスナック(マスター役は岸部一徳)が、まさにこんなたたずまいだった。

『金魚』は、この辺りのタクシー運転手さんなら誰でも知っている有名店だ。魅力的な姉妹が客席を回って話し相手になってくれるので、居酒屋+スナックといった雰囲気。ママは筆者が韓国から来たと知ると、「ソ・ジソプの大ファンなの~」と喜んでくれた。客層は地元民6、復興事業関係者4くらいの印象。私たちの隣の席で飲んでいたグループは後者で、関西弁で楽し気に話していた。彼らは筆者が利用した『Sun Fan Village』の長期滞在組だ。

 

『金魚』で初めて食べた金華サバ。南三陸金華山周辺で定置網、または一本釣り、あるいは巻き網で獲れた大型のマサバのみが金華サバを名乗れるという。

韓国人、とくに釜山人はサバと聞けばマッコリを連想するが、身も、少し焦げた皮も味が豊かな金華サバはマッコリよりも日本酒が合いそうだ。いや、それでも次回は韓国からほどよく甘い生マッコリを持ち込み、相性を確認してみたい。また、機会があれば金華サバの寿司も食べてみたい。

 

『金魚』では数種類の日本酒を頼んだ。どの銘柄がどんな味だったのか記憶があやふやだが、すべて美味しくいただいた。面目ないが、そういう酒飲みなのである。韓国人から見た日本酒の魅力は、味や香り、背景にある歴史やドラマなどだが、筆者は日本酒の大きな一升瓶が大変気に入っている。韓国にもこのサイズの酒瓶はあるにはあるが、あまり一般的とはいえない。