■早起きして石巻魚市場

 

石巻魚市場の建物の2階はガラス張りの長い通路になっていて、そこからセリの様子を俯瞰することができる。

働く人々やフォークリフトの動きは整然としていて、韓国の魚市場とは明らかに違っていた。筆者はアポなしで訪問したにも関わらず、運よく親切な職員の方に許可をいただき見学できたが、本来は事前の申し込みが必要。

http://www.isiuo.co.jp/Top/tour/

 

韓国でも釜山をはじめ各地の魚市場を見学したことがある。セリをしている人たちには近づけないような荒々しい雰囲気があったが、ここではまったくそれが感じられなかった。

 


セリの声は韓国と比べて声量も小さめ。近くで耳を澄ませたが、早口なうえ符丁のような言葉が多く、まったく聞き取れなかった。

 

■市場メシ体験

 

築地の場外や釜山の共同魚市場のように、市場周辺には食堂や屋台がズラリと並んでいるのではと期待して来たが、確認できたのは石巻市水産総合振興センター1階にある『斎太郎食堂』(06:30~14:30、無休)のみ。とてもきれいで明るい食堂だった。職員の女性が客に親し気に話かけていたので、毎日通っている人が多いのだろう。

注文は日本らしく食券制。メニューには魚介ももちろんあるが、客席を見回すと肉料理や、チャーハンなどを食べている人が多かった。漁業関係者は魚は食べ飽きているということなのだろう。釜山でもチャガルチ市場の近くに、ホルモン焼きの店が集まっている一画があることを思い出した。

 

日替わりメニューの二色丼1200円。ネギトロとウニたっぷりが盛られている。

テレビを見るためでもあるのだろうが、客がみな同じ方向を向いて座り、静かに食事している様子にも日本らしさを感じる。

 



万石橋(まんごくばし)のたもとにある『石浦鮮かき工場』。ふらっと訪れたのだが、こころよく見学させてもらえた。身を殻から取り外す作業は季節労働で、1人で1日200キロぐらいをこなす。この仕事で稼ぎ、オフシーズンは遊んで暮らす人もいるという。慶尚南道の統営(トンヨン)で同様の工場を取材したことがあるが、韓国では中高年の女性の仕事だった。