文/光瀬憲子

 

台湾版パジョン、蔥油餅(ツォンヨウビン)

 台湾人は本当によく食べる。朝食、昼食のあとに、おやつだって欠かさない。豆花やタピオカティーといった甘いもの、小ぶりの肉まん、腸詰などを胃袋に放り込み、さらに夕食もきちんと食べる。

 部活帰りの中高生に一番人気がある間食が、安くておなかにたまる蔥油餅(ツォンヨウビン)だ。餅の文字が入っているが、小麦粉の生地で作られた焼き物で、クレープや韓国のパジョン(ネギチヂミ)に似た屋台フードである。生地に塩と刻んだネギだけを練り込んだシンプルなもので、学生街にはチーズやハムをトッピングして出す屋台もある。

高雄の「道地蔥油餅」の店頭で焼かれる蔥油餅

 台湾のおやつとしてすっかり定着しているが、中国にも同じような食べ物があり、「手抓餅」(手づかみ餅)と呼ばれたりもする。稲作に不適で粉ものをよく食べる中国北部では主食でもある。