文/光瀬憲子

 

 日本と比べるとかなりゆる~い雰囲気と台湾人の人なつっこさにひかれて、ついついまた足を運んでしまう台湾。そこには何度リピートしても飽きることがない豊富な食べ物がギュッと凝縮されている。

 私は過去に7年間台湾に暮らし、それ以降もグルメ取材などを通して年に何度も台湾を訪れているが、それでも行くたびに「これは食べたことがない!」という新しい食べ物や食材に出逢う。

 小籠包とマンゴーかき氷を食べたら、次は何にしよう? そんな台湾ビギナーやリピーターのために、必須10大グルメをピックアップしてみた。

 

1 蚵仔煎(オアジェン)

 どこの夜市でも必ず見つかる蚵仔煎は、卵、水溶き片栗粉、小粒の牡蠣を鉄板で焼いたもの。ブヨブヨした食感が楽しい。ピンク色をしたオリジナルソースが味の決め手となる。寧夏夜市には行列店が数軒あるので食べ比べてみるといい。美味しい店の見極めは、なんといっても店頭パフォーマンス。蚵仔煎の店では、店頭に大きな丸い鉄板が用意されており、そこで蚵仔煎が大量生産されている。サッと卵を割り入れ、牡蠣をバラマキ、蚵仔煎が完成していくサマは実に見事。フライ返しを操る職人の手つきに注目したい。

2 魯肉飯(ルーロウファン)

 日本でも立ち食い蕎麦屋のメニューにのぼるほどお馴染みとなった魯肉飯。豚ひき肉を醤油や香辛料で煮込んだものを白米にのせるぶっかけ飯。

 魯肉飯(または滷肉飯、肉燥飯とも)には豚ひき肉を煮込んでぶっかけたものと、豚バラ肉を細切りにして角煮風に煮込んで、ぶっかけたものの2種類がある。ひき肉ベースのものはさっぱりしていて食べやすいが、角煮ベースのものは脂身にパンチがあってやみつきになる。

 最近のマイ・ベスト魯肉飯は台北駅から地下鉄で約15分の三重にある「今大魯肉飯」だ。角煮タイプで脂身が甘くとろけるものの、味付けはさっぱりしていてしつこくない。

3 牛肉(ニョウロウミェン)

 豚肉が幅を利かせている台湾グルメでキラリと光るのが牛肉をふんだんに使った牛肉麺。もっとも高級な庶民派料理である。

 牛肉麺には赤(紅焼)と白(清燉)の2種類があり、赤はややピリ辛の濃い目の味付け、白は淡白でクリアなスープ。牛肉麺といえば赤、という風潮があるが、女子にはあっさりした白をオススメしたい。

 そして白の名店といえば北投温泉駅前にある「志明牛肉拉麺」。通常はスジ肉などを使うところ、ここはロースやヒレ肉を贅沢に使っているため、驚くほど肉が柔らかい。

4 麺線(ミェンシェン)

 初心者にはややハードルが高いが、食べてみるとやみつきになるのが麺線。日本のそうめんに似た極細麺をあんかけスープにして食べる。蚵仔麺線は中に牡蠣が、大腸麺線は中に豚の大腸が入っている。いずれも鰹ダシがきいていて、お箸でも食べづらく、スプーンでもすくえないという難しい料理。プラスチックや金属のレンゲの淵でうまく麺線を切りながら食べるとよい。大腸麺線は独得の臭みがあるが、ハマるとリピートしたくなる不思議な屋台料理だ。

 

5 臭豆腐(ツォウドウフ)

 中級者~上級者向けで、日本人旅行者のなかにも敬遠する人が多い臭豆腐。独特の発酵臭がある豆腐の揚げ物料理だ。でも、周囲に臭みを振りまくものの、実際に口に運んでみるとそれほど臭みを感じないから不思議だ。

 臭豆腐は一緒に添えてあるキャベツの漬物と醤油ベースの甘からソースが味の決め手となるので、この2つが旨い店は行列ができる。また、臭豆腐には揚げと煮込みの2種類があるが、煮込みは揚げより臭く、辛味も効いているので心して食べよう。