文/チョン・ウンスク

 

■干潟の映画的な役割

 干潟(ひがた)。韓国語でケッポル。

 潮が引くと砂泥が露出し、塩が満ちると海水で覆われる低湿地のことだ。潮干狩りをする場所と言えばピンと来るだろう。干潟には栄養価の高い微生物が多いので、多様な生き物が共存している。また、水質を浄化したり、沖合からの波を砕く緩衝材になったりするなど、よい水環境を維持するうえで重要な役割を果たしている。

 韓国で干潟が多いのは圧倒的に全羅道だ。今回は全羅道を舞台とした映画に象徴的に登場するケッポルの役割について書いてみよう。

全羅北道の群山沖に浮かぶ仙遊島の干潟

潮干狩りを楽しむ人々の姿が見られる仙遊島の干潟

 韓国映画における干潟はおおまかに言うと、人間関係の浄化装置、母性の象徴、すべてを赦し受け止めるものとして描かれることが多いように見える。

 それでは新旧3本の映画の干潟の描写を観て見よう。