■『サンセット・イン・マイ・ホームタウン』(原題『辺山』/2017年)

 しがらみから逃れたくて故郷(全羅北道の辺山半島)を捨てソウルに来たのに、ある理由で辺山に戻ることになり、半ば囚われの身になる主人公(パク・ジョンミン)。故郷ではさまざまな黒歴史(因縁)と向き合うことになる。

 そのひとつが子供時代にいじめた幼なじみ。成長した彼はなんとヤクザになっていた。そんな2人が辺山の干潟でとことん殴り合い、わだかまりは解消されていった。

辺山半島の南部にある芽項(モハン)の干潟

■『熱血男児』(原題『熱血男児』/2006年)

 ヤクザのジェムン(ソル・ギョング)は、殺された相棒の仇討ちのため全羅南道の筏橋(ポルギョ)までやってきたが、敵役の母親チョムシム(ナ・ムニ)に思慕の情を感じ始める。一方、チョムシムはジェムンが息子を殺しに来たことに気づきながらも、ジェムンと息子をダブらせる。二人は口汚くののしり合いながらも心を通わるようになる。

 チョムシムが息子を殺そうとするジェムンを説得する場所として選んだのが干潟だ。済州の女が海女で稼いだように、全羅道沿岸部の女は干潟で貝を取って生計を立てる人が多かった。
冷えた身体をあたためるようソジュを流し込みながらチョムシムは言う。

「女は墓に入るまで干潟で泥に浸かって働くんだ」

「一番の親不孝は子が親より先に死ぬことさ。親を悲しませるようなことだけはしないでおくれ。約束だよ」