■『娼婦物語 激愛』(原題『カモメよ、ふわりふわり飛ぶな』/1982年)

 娼婦に身を落とし、宵越しの銭を持たない漁師たちを追うように島から島を転々とするウンジュ(ナ・ヨンヒ)。そんな彼女を愛したトゥジン(ハ・ジェヨン)はどこまでも彼女を追い、数年後、全羅南道の離島・黒山島の娼館でウンジュを見つける。

 干潟に逃げるウンジュ。追うトゥジン。ムツゴロウのように泥まみれの二人。悲しい場面なのだが、子供がじゃれ合っているようにも見える。いつのまにか朝日が昇ってきた。

芽項のペンション「ウエスト・ブルー」のベランダから見える干潟。ここはホン・サンス監督の『3人のアンヌ』で、映画監督(クォン・ヘヒョ)が緑のワンピースのアンヌ(イザベル・ユペール)に迫った場所だ
芽項で現地の人と交流する筆者。背後には干潟が

 干潟の風景は一面灰色で憂鬱だ。干潮のときは漁船が打ち上げられたようにも見えて寂謬感がある。しかし、これがリアルな全羅道沿岸部の風景なのだ。

 さまざまな葛藤を母のようにおおらかに受け止め、心を裸にさせる干潟。この3本の映画を観れば、みなさんも干潟の見え方が変わってくるかもしれない。

*筆者の近況はtwitterでご覧いただけます。https://twitter.com/Manchuria7

 

■オンライン講座『気になる韓国、ソウルの今』のお知らせ

 2月20日(日)16時~、本コラム筆者チョン・ウンスクのオンライン講座『気になる韓国、ソウルの今』が行われます。最後の韓国旅行から早や2年。そんなみなさんのためにソウル在住の紀行作家が日本の旅行者に人気のあるエリアの様子を豊富な動画や写真で伝えます。お申し込みは下記のサイトかお電話(0120-53-8164)で。

https://www.chunichi-culture.com/programs/program_192283.html

 

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『美味しい韓国 ほろ酔い紀行』(双葉文庫)
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韓国最大の財閥企業サムスングループの二代目会長、故・李健煕(イ・ゴンヒ、昨年10月に死去)の発言、語録をまとめた書籍『李健煕の言葉(原題)』(韓国、スターブックス社刊)を、チョン・ウンスクが日本語版として翻訳、刊行したものです。