日本とサンマリノの友好の証である神社

 翌朝、みぞれまじりの雪が降る中、正式にサンマリノ神社を参拝した。本殿は伊勢神宮と同じ神明造で、日本で建設したものを解体してここへ運び、再度組み立てたのだそうだ。主祭神は天照皇大神、創建は2014年6月。日本の外交評論家・作家であり、日本サンマリノ友好協会の会長を務める加瀬英明氏の発案により、同協会と駐日サンマリノ大使マンリオ・カデロ氏が協力して、東日本大震災の犠牲者の追悼を目的とした欧州初の本格的な神道式神社を建立した。6月21日に行われた鎮座式には、神社本庁総長、安倍首相の母・安倍洋子氏を始め多数の要人が参列したそうだ。

 参拝を前に、手水舎で身を清め、ブリガンテ宮司が塩とお神酒でお払いをしてから、天照皇大神を祀った本殿の扉を重々しく開いた。玉串としてオリーヴの小枝を捧げた後、ブリガンテ宮司は私のために祝詞をあげてくださった。イタリア語で祝詞を聞くのはなんとも不思議な気分だったが、その言葉に込められた祈りの重さは心にずしんと響いた。「日本が地震や自然災害から守られますように。私たちが健康で、無事に生きられますように。世界の全ての人々に平和な日々が訪れますように」。宗教も人種も歴史も文化も、あらゆる隔たりを超えたところにある祈りの言葉に敬虔な気持ちが湧き上がってくる。宮司の先導で私も玉串を捧げ、神様の前で祈りを捧げた。

 



農場の一角にある神社への入り口。ここから参道となっている(上)。サンマリノで採掘される石を土台にし、日本で造られた本殿を据えた。神社は日本とサンマリノが一つになった証でもある(下)





手水舎で身を清め、朝の儀式に臨むブリガンテ宮司(上)。本殿の前に並べられた神具。玉串には榊ではなく境内にあるオリーヴの小枝を使用(中)。扉を開く前に本殿と周囲をお清めする(下)。