文/光瀬憲子

 

 台湾沖縄よりも南にある。島全体は亜熱帯に属し、最南端の墾丁(ケンディン)という場所だけは熱帯に属する常夏の島だ。でも、冬場は意外と寒い日がある。関東地方で突然大雪が降ると、雪慣れしていないため都市機能が麻痺したりするが、台湾も寒さ慣れしていないので、今年のように寒波がやってくると大変な騒ぎになる。

 数年前、日本で大雪が降ったとき、取材で台湾一週の旅に出かけていった。台湾ならば少しは温かいと思って薄っぺらいコートしか持っていかなかったのだが、予想に反して台湾は寒かった。日本に大寒波が訪れると、台湾も間違いなく厳しい寒さに見舞われている。

 

めったに寒くならない南台湾だが、それでも大寒波となると上着をはおりたくなる。台南、朝のサバヒー屋さんにて

■気温はそれほど低くなくても……

 台北で暮らしていた頃、1年に数日間だけ寒くなることがあった。ほんの一週間程度なのに、ぐっと冷え込む気がするのは、台湾の空気が湿気を帯びているためだろう。特に台北の冬は雨が降りやすい。スコールのような雨ではなく、1日中しとしとと降り続くような雨で、これが身体を芯まで冷やすのだ。1月~2月に急激に寒くなるその1週間のために、台北の人たちはヒーターを購入したり、ダウンジャケットを探したりする。

 私が元夫と台湾で結婚式を挙げたのも1月だった。日本から親戚を十人ほど呼び寄せたが、それほど贅沢なホテルは準備できず、リーズナブルなツアーで使うようなホテルだった。そのホテルには暖房がなく、申しわけないことに、薄着で来た招待客はほぼ全員、風邪を引いて帰っていった。

 

宿のチェックポイントは暖房と浴槽の有無

 だが、亜熱帯の台湾で暮らす人にとって、寒さは「憧れ」でもある。たとえば雪のちらつく日に温かい温泉につかったり、ふかふかのマフラーと手袋を身にまとったり、そういった寒くなければできないことに強い憧れがあるのだ。だから台湾人にもっとも人気の日本の旅行先は北海道だ。雪まつりの札幌が台湾人で埋め尽くされるのもこのためだ。

 日本は寒いと思って台湾に行っても、南国台湾のほうが逆に寒いと感じることがある。予約したホテルの部屋にバスタブがない。あったとしてもアツアツのお湯が出ない。冬なのになぜかホテルに冷房が入っている(そもそも冷房しかない)。こうなると、寒さから逃れる方法がなくて風邪を引いてしまったりするのだ。

 

■首や手首が冷えないよう備える

 1月~2月にかけて台湾を旅する場合、そして日本で寒波が来ていたり、特に冷え込んでいる場合、台湾も寒いと考えて十分な備えをしたほうがいい。ホテルは浴槽があるところを選ぶ、保温性に優れた下着を着る、カイロを持参する、帽子やマフラーを用意する。

 

3年前の寒波のときは台南でマフラーまで巻いた。300元(1000円ちょっと)なので迷わず購入。名物のトーストシチューであたたまるの図

 数年前に大寒波の台湾を訪れた私は、そんな備えをいっさいしていなかったので、急きょ旅先でマフラーを買うことにした。湿気の多い台湾では、冷え込んだときに首周りや手首周りを冷やさないことが大事だ。飛行機の中も案外寒いので要注意。

 そして、ホテルではこんな言葉を覚えておくと便利だ。

 

  • ・暖房はありますか/請問有暖氣嗎?/チンウェンヨウヌァンチーマ?
  • ・私の部屋は寒すぎます/我的房間太冷/ウォーダファンジェンタイレン
  • ・布団をもう1枚ください/給我多加棉被/ゲイウォドゥオージャーミェンベイ
  • ・毛布をもう1枚ください/給我多加毯子/ゲイウォドゥオージャータンズ
  • ・バスタブのある部屋がいいです/我要有浴缸的房間/ウォーヤオヨウユーガンダファンジェン
  • ・お湯が使いたいです/我要用熱水/ウォーヤオヨンラースエ
  • ・冷房を切ってください/請關掉冷氣/チングァンデャオレンチー