文/光瀬憲子

先月、大寒波が押し寄せ、日本各地が大雪に見舞われた。こんなときは亜熱帯台湾も気温が下がり、冬らしい気候になる。前回は意外と寒い台北の冬の過ごし方についてお話したが、今回はさらに範囲を広げて台湾の冬のあったかグルメをご紹介したい。

 

■九份の行き帰りに立ち寄れる瑞芳駅前

赤肉焿(豚肉すり身のあんかけスープ)に白米を入れてクッパ風に

 まずは情緒ある台北近郊のローカル線「平渓線」に乗ったり、九份へ行く際に通過することが多い瑞芳駅。この駅前には穴場グルメスポットがたくさんあるので、1本早い列車に乗って瑞芳駅で寄り道し、朝ごはんを食べてみるといい。

 駅の前から延びる一本道(民生街)の右手に『梅』という看板を掲げる小さな食堂がある。店の前にはテイクアウトの人でも寄りやすい屋台が出ている。台湾人はあんかけ好きだが、この店も「赤肉焿」(豚肉のすり身あんかけスープ)が売り。まずはとろみのあるスープを一口いただいて温まり、ごつごつしたすり身の旨味を楽しみ、最後に白米をスープに入れて韓国のクッパ風にすればお腹も満たされる。列車の旅の腹ごなしにぴったりだ。

 

瑞芳駅を背に目の前にのびている商店街を歩くとすぐ右手にある『梅』。赤肉焿はテイクアウト客の多い人気店。電車を待つあいだイートインもできる

■台北から30分の新竹、中央市場

 意外と知られていない台湾北部のグルメ都市に新竹がある。サイエンスパークがあるので日本の企業人には訪れたことがある人も多いが、旅行者はあまり足を運ばない。だが、新幹線でわずか30分、290元の近さなので、日帰りはもちろん、半日だって十分に楽しめる(新幹線新竹駅から市内へはタクシーで20分/200元ほどかかる)。

 若手の市長が新竹をグルメタウンとして売り出し中ということもあり、最近改めて新竹グルメに焦点が当たっている。そんななかで特におすすめなのが新竹市内の最大朝市「中央市場」内にある『糯米水餃』(もち米水餃子)。新竹市民に絶大な人気を誇る。

 ワンタンもあるので、ワンタンともち米水餃子の両方が1杯で楽しめるミックスだとお得感がある。朝からあたたかいワンタンともち米水餃子をあっさりとしたスープでいただく。もち米餃子はとにかくもち米100パーセントの皮がとろりと柔らかくて美味。肉汁もたっぷりだ。新竹は特に風が強く寒い街なので、体を芯からあたためて1日のスタートを切ろう。

 

つるんとした歯ざわりは見た目どおり。もっちりして食べごたえがあり、中から肉汁があふれ出すもち米水餃子

常連客がひっきりなしに訪れるため、ワンタンともち米水餃子は仕込みも大変。作業の手が止まらない

 もう1軒、中央市場のすぐそばに行列のできる鍋店がある。『西市汕頭館』という沙茶ソースを使った鍋の店。沙茶とはカレーのようなスパイスソースで、これをつけダレにしていただく鍋が絶品。特にこの店の沙茶は手作りで、牛肉も生肉を1枚1枚丁寧にスライスしているので、肉の風味がしっかりとしている。

 

『西市汕頭館』の沙茶鍋は具だくさんで食べごたえたっぷり。沙茶とトマトが意外にマッチしてエスニックな風味に

生肉を1枚1枚、丁寧にスライスして出してくれる。ここでしか食べられない新鮮な牛肉が人気の秘訣