文・光瀬憲子

 車の運転があまり得意ではないので、日本での移動は電車に頼りっぱなしだ。日本では電車の時刻は人々の暮らしと密接に関わりがあり、駅を中心に生活圏が形成される。

 一方、台湾の電車、特に台鉄(在来線)や高鉄(新幹線)は少し日常から離れていて、旅や休暇と連動している。そこまで電車の時刻や駅チカにこだわらない人が多いので、どこかのんびりしているのだ。今回は台湾各地の駅に近い食堂に焦点を当ててみた。途中下車して腹ごなし。電車に乗る前にちょっと1杯。いずれも徒歩圏内でうまいメシにありつける店ばかりだ。

 

 

台北駅

 まずは台北駅から徒歩で行ける絶品水餃子と麺の専門店「豪季水餃子専売店」。台北駅は広大なので、台鉄の駅、高鉄の駅、MRTの駅、バスの駅など、エリアによって出口が面している道路も異なる。

「豪季」はMRT淡水線や板南線の出口から近いところにあるので市内移動中に立ち寄るのに便利だ。台北駅にほぼ直結しているが、裏路地にあるので行列ができるほどではないが、味に定評があるので昼時は満席となる。

 水餃子は台湾人にとってスタンダードなランチの選択肢。ちょうど10個で一人前。テイクアウトもあるが、やはり店内でできたてをいただきたい。「豪季」の水餃子は皮がもっちりと肉厚で、中の具もしっかりと肉汁が凝縮された濃厚な味。また、水餃子専門店ながら、この店の麺もファンが多い。日本のうどんに似た太麺は肉のソースがよく絡んで美味。食べる前によくかき混ぜるのがコツ。

 

台北駅MRT出口M7番からすぐの路地。黄色い看板が目印。昼時は早めに席取りを
水餃子専門店とうたいながらも絶品なのがうどん風の炸醤麺。麺と肉ダレをよくからめていただく
昼時には混雑するので仕込みも大変。もちもちの水餃子の皮には肉汁たっぷりの具が包まれる