デハ101という電車をご存じだろうか? 鉄道マニアの方には簡単な質問なのかもしれないが、少なくとも私はまったく知らなかった。その電車は群馬県の上毛電鉄にある。昭和3(1928)年に製造された車両で、現役では日本最古と言われている。そう現役なのである。博物館に展示されているわけではないのだ。そして先月、このデハ101を含め上毛電鉄が保有する貴重な鉄道車両や施設を見学するチャンスが訪れた。

 

「観光庁既存観光拠点_高付加価値化促進事業_モニターツアー」

ものすごく漢字がたくさん使われている…。なにやら難しそうな名前ではあるが、このツアーでこの貴重な電車に実際に乗ることができるという。滅多にないチャンスなので参加することにした。

 

■いざ、上毛電鉄へ!

浅草から東武鉄道の特急「りょうもう3号」で約2時間、終点の赤城駅に降り立つとピリッとした空気が漂う。東京とは明らかに違う澄んだ冷気が心地よい。改札を出るには線路を踏切で渡る。上毛電鉄の線路だ。ここは東武鉄道桐生線の終着駅であると同時に上毛電鉄との接続駅でもあるのだ。開設当時は国鉄足尾線(現・わたらせ渓谷鐡道)に「大間々駅」がすでにあったので、「新大間々駅」と命名されたが、昭和33年に赤城山の登山口として利用者に分かりやすいようにと改称されたという。

赤城駅構内のキレイな待合室で待つこと30分、お目当ての列車が到着するので上毛電鉄のホームに向かう。桐生方面を凝視していると、おもちゃのような一両の列車がこちらに向かって走ってくるではないか!

 

「おおー、ホントに走ってる…」

思わず声が漏れる。チョコレート色の車体はレトロでカワイイ、まさに“映える”電車だった。

 

 

レトロなのは外見だけでない。木造の車内も雰囲気たっぷりで、昭和初期へタイムスリップしたかのようだ。車窓に雄大な赤城山を望みながら、大胡駅を目指す。吊り掛け式モーターの音が響く。「ウーウー」と唸るような独特の低駆動音が客室にじかに伝わり、ノスタルジックな気分に浸る。古いからといって決して遅くはない。けっこう頑張るヤツなのだ。









 

歴史を感じさせるノスタルジックな車内。車窓には赤城山の雄姿を望むことができる。


【デハ101 車両データ】 
製造年度:昭和3年、製造所:川崎車輌製造
全長:15.84m、幅:2.73m、高さ:4.08m、自重30.4t、定員92人(48席) 

デハ101貸切運転 https://www.jomorailway.com/deha101_charter.html

 

 

デハ101は、平成9年9月18日に営業運転を終了したが、現在はイベント時や貸切列車としていまも“現役”で活躍している。車内で結婚式だってできちゃうから、鉄道好きのカップルにはオススメだ。そして驚くべきはその価格設定である。なんと1往復10万円で天然記念物のようなレトロ電車を貸切ることができるという。これはチェックしたい。要予約なので、ホームページ等で確認してみてほしい。

 


今回のツアーでは貸切列車に乗ることが出来た