アジア5カ国の日本人キャバクラで働いた経験のある筆者だが、どうしても好きになれない国がある。香港とシンガポールだ。シンガポールが好きな人には怒られそうな気もするが、物価の高さという理由が大きい。まず筆者は喫煙者なのだが、タバコが高い。昔から旅人の間で「シンガポールはタバコが高い、1箱1000円もする!」という話はよく耳にしたが、現地に行ってマジだった……と驚愕した。さらにシンガポールは酒も高い。これはアルコール度数が高ければ高いほど酒税がかかるからである。

 キャバクラの仕事中に酒は飲むけれど、仕事後の一杯は何よりも至福。タイでは仕事後にバービアやゴーゴーボーイに飲みに行くこともできたが、シンガポールではセールになったビールにシケモクを吸う……という虚しい生活を送っていた。そんなシンガポール生活の中で唯一、お気に入りの料理があった。

 シンガポールやマレーシアで日常的に食べられる薬膳スープ「肉骨茶(バクテー)」。骨付きの豚肉を漢方や香辛料と煮込んだもので、シンガポールは胡椒が効いた透明感のあるスープの白バクテー。マレーシアには漢方の熟地黄を煮出し、中国醤油で色濃く味付けした黒バクテーがある。ホーカーやフードコートで食べられるが、専門店も多い。仕事帰り、寮の近くで唯一開いている食堂で食べる肉骨茶が最高に美味しかった。

 胡椒、シナモン、八角などを煮込んだスープはニンニクの香りが食欲を刺激する。一口飲むと、ニンニクと豚の甘さとともに胡椒の塩味が口いっぱいに広がる。匂いに反してスープはまろやかで何杯でも飲んでいられる。残っていた酒がリセットされ、疲れていた体が回復する……。長時間、煮込んだ豚肉はホロホロと柔らかく、スープの旨味がギュッと濃縮され噛めば噛むほど味が出る。シンガポールの熱帯夜に食べたくなるスタミナ料理だ。

 

ホーカー(屋台)のバクテー専門店

 シンガポールでは午後10時30分〜翌朝7時まで公共の場での飲酒が禁止されている。だが、写真のようにプラスチックのコップでこっそりビールを入れてくれたことも(そこもお気に入りの1つだった)。ビールと肉骨茶、おかずを一品で値段は1200円ほど。これがシンガポール生活のたまの贅沢だった。

 ちなみに、肉骨茶の素はおなじみのカルディでも買うことができる。作り方は皮をむいたニンニクとスープの素を鍋に入れて、スペアリブと一緒に40分ほど煮込むだけ。これが意外と本格的で美味しい。まだまだ寒さが続きそうですが、アジアのスタミナ料理、肉骨茶で疲れた体を整えてみてはいかがでしょうか。

 

 

底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる
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クズな私でも輝ける場所があったーー。
やる気ゼロ、貯金ゼロ、計画性ゼロ。ポンコツキャバ嬢による、タイ、香港、シンガポールカンボジアベトナムの「日本人向けキャバクラ」潜入就職&アジア夜遊び放浪記。