年末年始が終わり、1月に入ると本格的に寒くなってくる。

 そして、2月半ばになり寒い冬が終わりかけるとようやくほっとできるのかと思えばさにあらず。

 次にやってくるのは、地獄の春。花粉症持ちの私にとっては最悪の季節だ。

 さて、この憂鬱な1月から4月上旬までの期間を乗り切るため、気をつけて食べているものはいろいろあるのだが、その中でも毎日のように食べているのが果物の金柑だ。

 

 金柑はミカン科に属する常緑低木で、ミカンとは別のキンカン属に属する。ミカンとの最大の違いは皮ごと食べられること。

 宮崎県で盛んに栽培され、1~3月期に最も収穫される。日本の生産量は1位が宮崎県、2位が鹿児島県、3位が熊本県。ちなみに宮崎県での生産量は全国の約70%にも及ぶ。

 金柑は皮ごと食べられるのでビタミンCもたくさん取ることができる。皮に含まれるヘスペリジンには、毛細血管の強化、血流改善予防、抗アレルギー作用、発ガン抑制作用など多くの効果が認められているらしい。

 他にも動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防に役立つビタミンEも多く含まれていたり、果物の中では珍しくカルシウムを多く含んでいるとされる。

 古くから咳き止めや喉の痛みを抑えるなど、とにかく金柑は果物の中でも薬用の効果が高いようだ。

 

通勤路の途中にある金柑の樹。夏になると緑の実をつけ、冬になるとその実が黄色くなり、東京にいながら貴重な季節を感じるポイントとなっている。

 幼い頃、祖父母の家に遊びに行って庭にある樹からもぎ取ってそのまま食べるのが楽しみだったが、まずは、この子供でも扱える手軽さがいい。

 種もちょっとだけあるが、小さくて柔らかいから私は子供の頃からバリバリ噛んで食べている。

 思い出の祖父母の家は今はなく、その後、実家の庭にも金柑が植えられたので、シーズンになるとがばっと送ってもらい、おやつ代わりにポンポン口に放り込んでいる。

 また金柑生産量日本一の宮崎県にいる友人からも金柑を送ってもらっている。

 実家の素朴な金柑とは違い、そちらの金柑は、見た目、味ともにインパクト大!

 

友人から送ってもらう「たまたま」は、宮崎県のブランド金柑で、直径2.8センチ以上、糖度16度以上、傷がなく形がいいものを温室栽培でじっくり完熟させたもの。甘みが強く苦味が低い。最近は県外のスーパーでも見かけるようになった。

 ところで、幼い頃から近所の庭木でもよく見かけたし、私にとっては身近に感じていた金柑だが、東京の知人らと話をすると、食べ方がわからないという人がたくさんいて驚かされた。

「皮はむけるの?」「皮は食べられるの?」とか聞かれ、ミカンのように思えるのか。

「まるごと食べればいいんだよ、種は好みで、こんなミニトマトみたいな便利な果物、なかなかないでしょ?」

と言ってはシーズンになると金柑を配りながら説明して歩いているが、なかなか伝わらない。

 そんなある時、宮崎県都農町のふるさと納税の返礼品で届いた金柑の箱に、「そのまんままるかじり」と書いてあった。やっぱり(そう、金柑はまるかじりが大正解)! なんてわかりやすい。わざわざ箱に書いたのは、いいアイデア!

 

宮崎県都農町からのふるさと納税返礼品として届いた金柑。美味しかったのはもちろんのこと、この箱の言葉に感激した。

 また、まるかじりをおすすめしておいてなんだが、金柑は、酸味、苦味、甘味があり、実は料理の食材としても向いているのだ。

 

金柑、菜花、タコをスパイスで和えたつまみ。複雑な味と香りで酒が止まらない。西荻窪の人気料理店、SPICE飯店にて。
注目のタイ料理人アベクミコさんの手にかかれば、アートのような華やかな金柑料理に!

 

 金柑は創造力を刺激するのか。東京でも一目置かれる店や料理人にも金柑は認められていたのだ。

 

 ちなみに私はこの辛く憂鬱なシーズンに、金柑を見ているだけでも気持ちがほっこりする。
 あの温かみのある黄色がかったオレンジ色、小さくちょっと楕円がかった丸みのあるフォルム…かわいい!

 

 これはもしやと思い、県別幸福度ランキングを調べてみたら、宮崎県は1位になっている(2020年の「都道府県SDGs調査」ブランド総合研究所より)。

 この結果、金柑効果もあるんじゃない⁉

 

 金柑のもつ見た目、味、栄養価がもたらすその驚きの効果は、またまだ解明されきっていないはず。

 こうして今日もまた私は金柑を見つめ、食べ、妄想し、なんだか健康になった気でいるのだった。

 

編集部記者 サバラン昭子