文と写真/サラーム海上
【シャルロット(前編)を読む】
パンを焼く香ばしい香りをたっぷり肺に吸込みながら、ポーランド・ワルシャワの人気ベーカリー『シャルロット』でハッラーとベーグルの作り方を見学!【旅とメイハネと音楽と vol.81】サラーム海上
人気カフェで朝食&オーナーインタビュー
2019年9月4日午前9時、すでにワルシャワの人気カフェ&ベーカリー『Charlotte(シャルロット)』グループのパン工房の取材を終えた僕たちは、地下鉄に乗り、市内中心部の聖十字架通り駅まで戻り、グジボフスキ(きのこ)広場に面したシャルロット・グループのカフェ『Charlotte Menora(シャルロット・メノラー)』へと向かった。
店名にあるシャルロットとはフランス人の女性の名前、メノラーはユダヤ教の象徴である燭台を指す。フランスとユダヤが一緒になった奇妙な名前のカフェだ。ジンガー・フェスティバルのワークショップなどで、すでに何度か利用していたが、食事をするのはこの日が初めてだ。
全面ガラスとモノトーンのインテリアによるポストモダンな内装のお店に入ると、パンの良い香りが充満していた。一旦お店に入ると、目の前の広場に立ち並ぶ緑の木々がガラスの背景に浮かび上がり、まるで緑の多い公園の中にいるような気分になる。


広いオープンキッチンのカウンターには焼けたばかりの様々な種類のパンが黄金色に輝き、先ほど作る過程を見学したハッラーやベーグルをはじめ、パン・ド・カンパーニュのような形の「シャルロット」やフランス式のバゲットなども美しく陳列されている。こんなカフェで日常的に朝食を食べられたら最高だなあ。





カウンター上のパンを撮影していると、右側のテーブルから白いレースのブラウスを着た小柄な女性が話しかけてきた。シャルロット・グループのオーナーのユスティナ・コスマラさんだった。
「おはようございます。私たちの新しいパン工房はいかがでしたか? こちらに来て、一緒に朝食をいただきながらお話をしましょう」
