「石巻・牡鹿半島」連載アーカイブの第6回目は、快適生活研究家の田中ケンさんによる2019年寄稿ルポの続編。全3回で送るレポートの第2回目は、牡鹿半島鮎川にある「おしか家族旅行村オートキャンプ場」でのアウトドアクッキング、屋外とは思えない極上料理の数々を詳細なレシピも合わせてたっぷりとお届けする。

 

OUTDOOR COOKING IN OSIKA Vol.2

 

文/田中ケン 写真/岡安啓人(MASH)

 

【2日目】

ワンランク上のアウトドアクッキング

 

アウトドアリビング&キッチンの設営は終わった。

 

 いよいよ調理のスタートだ。アウトドアでのクッキングは、作り始めたときからエンターテインメントが始まる。







 ここは石巻の牡鹿半島。特産のアジとサバは外せない。酒のつまみにもってこいのメニュー「アジのなめろう」と「サバの味噌煮」。サイドメニューとして「バルサミコしらこ」と、地元産のジャガイモと市場で見つけたイカの塩辛を使った「塩辛ジャガイモ」。メインは地元の猟師さんから購入した牡鹿のシカだ。そして、日が暮れた後、寒い冬の夜にホットなデザートを最後に用意しようと思っている。妻へ贈る素敵なアウトドアディナーのフルコースだ。

 

 最初の作業は下ごしらえ。冬のアウトドアでは、できるだけ素早く調理するのが鉄則。段取りよくこなさなければ、料理がすぐに冷めてしまう。とはいえ、下準備をおろそかにすると、せっかくの料理がうすっぺらなものになる。目指すはワンランク上のアウトドア料理。しかも「妻をもてなす」のだ。寒くても手を抜くわけにはいかない。

 

 アジとサバは、ほぼ同時並行で調理を進める。どちらの魚も地元産、使用する味噌や葱、生姜などもすべてすべて「いしのまき元気市場」で仕入れたもの。イカの塩辛を使いたかったから、ジャガイモと和えておつまみに。新鮮な白子もオリーブオイルとバルサミコ酢で味付けしてメニューに加える。最後に地元猟師の小野寺望さん(参照:「宮城県石巻に鹿を仕留める名人を訪ねる」山本益博)から購入した牡鹿半島のシカ肉に塩をまぶしてローストする。

 

 料理は揃った。設営したアウトドアリビングに運び、テーブルセッティング。ワインと日本酒を用意して、いよいよ“おもてなし”ディナーをはじめる。おしかの雄大な自然の中で地元石巻の食材だけで作った料理をいただく。こんな贅沢は、都会では味わえない。アウトドアの醍醐味だ。この日の気温は5℃。美味しい料理とお酒、無双の絶景を味わえば、寒さは感じない。この地を選んで正解だった。はるばるやってきた甲斐があったね。

 完成した料理をテーブルに並べ、妻と一緒にまずはワインで乾杯。これだけの食材で僕が作った料理、味の説明はこの際不要だろう。ご想像にお任せする。