日本のアルベルゴ・ディフーゾ

 矢掛町は旧山陽道の宿場町。倉敷の奥座敷とも呼ばれ、今でも当時の面影を残す街並みが残っている。しかし、旧宿場町でありながら、ここには宿泊施設がなかった。そこで古民家の特長を活かした宿泊施設の整備を賑わいのまちづくりと観光消費による産業の発展と位置付け、2016年3月、江戸時代からの古民家をそのまま甦らせた「矢掛屋 INN&SUITES」をオープンさせた。宿場町の歴史と文化を継承する古民家再生事業と相まって、アルベルゴ・ディフーゾ協会の日本認定第1号となった。

 東京の谷中は、谷中霊園を中心に数多くのお寺が集まる町。「夕やけだんだん」として知られる階段から谷中銀座通り商店街が有名。様々な業種約60店舗が全長170メートルほどの短い通りに立ち並び、地元の人をはじめ多くの観光客で賑わう。成田から京成スカイライナーで最寄の日暮里まで36分という立地もあり、外国人観光客にも人気のスポット。ここに木造アパートをリノベーションしたAD「HAGISO」がある。宿のホームページによると「単に一つの建物に完結したホテルではなく、まち全体を一つの大きなホテルに見立てることで 地域と一体になったホテル。宿泊室はまちの中。大浴場はまちの銭湯。ホテル自慢のレストランはまちの美味しい飲食店。お土産屋さんは商店街や路地に店を構える雑貨屋さん。文化体験はまちのお稽古教室やお寺で。」とある。つまり、町自体がホテルの施設として機能しているのだ。

 

 石巻の場合はどうだろう? 農業、漁業の体験コンテンツに、食、宿泊を組み合わせていくというが、以下のようなシナリオを検討しているという。

1)漁師町で漁業体験をして、うまい魚を食べる。(小渕浜、十三浜)

2)パワースポット金華山で、ボルダリング。

3)文化遺産「サンファンバウティスタ」で、海路で金華山へ。

 

 石巻は矢掛町や谷中に比べると規模がとても大きく、震災による影響もある。でも、歴史や文化は継承されているし、ここでしか味わえない旨いものがたくさんある。本場イタリアのアルベルゴ・ディフーゾも地震災害からの復興プロジェクトから始まったというのだから、地域が一体となって取り組めば、石巻でも不可能ではないのかもしれない。

<アクセス>

ローマから特急・急行でFoggia/フォッジャまで行き、そこから各駅電車でテルモリへ。ミラノからはボローニャで乗り換える。いずれも乗り換えの待ち時間などを入れるとローマから最短で4時間半、ミラノからは最短で5時間15分ほどかかる。ローマからはテルモリへ直行するバスがティブルティーナ駅前のバスターミナルから出ている。所要時間は約4時間。遅延・乗り継ぎの失敗が起こりがちな列車より、本数は少なくとも直行で行けるバスの方が便利かもしれない。

★テルモリの街の様子は「TABILISTA」の連載『ブーツの国の街角で』のなかで紹介しているので、合わせてご覧になっていただきたい。

#55「テルモリ:アドリア海に突き出た小さな港町」

<参考サイト>

Locanda Alfieri/ロカンダ・アルフィエーリ

http://locandalfieri.com/

 

Residenza Sveva/レジデンツァ・スヴェーヴァ

http://www.residenzasveva.com/

 

テルモリ観光情報(いずれも伊語)