日本には様々な横丁がある。表通りから少し逸れた道に入ると並ぶ小さな看板の数々。ノスタルジックな赤ちょうちんやスナックが並ぶ”昭和横丁”から、バブル崩壊以降は寂れた趣の”平成横丁”。今どきの若者に人気の渋谷や恵比寿にある”令和横丁”まで、横丁にはその街の歴史が詰まっている。その空気に惹きつけられるかのように、今日も日本のどこかの横丁で呑んだくれる女が1人……。これは、元底辺キャバ嬢カワノアユミが織りなす横丁探訪記である。。

 

■カワノ、金欠になる

 ……今月、私は金欠に陥っていた。年末年始に行ったタイで豪遊、帰国後の出張や趣味のボートレースで負け続けた結果、ついに有り金が数千円を切ってしまった。何気に金がかかるこの横丁探訪。だが、金がなくても酒が飲みたい。宵越しの銭を持たないのが江戸っ子ってもんよ! ……だが、私は知っている。現在、私が住む関西には安く飲める店がたくさんあるということを。千円札握りしめて大阪で飲んできました!

 

■せんべろなんて目じゃない! 安飲み聖地・大阪

大阪駅前ビル

 千円でたらふく飲むのにはどうしたらいいのだろうか? 色々考えた結果、安飲みの聖地・大阪がよいだろうという答えに辿り着いた。ここ数年、世は「せんべろブーム」にある。せんべろとは「千円でべろべろに酔える」という酒場などの俗称で、『せんべろ探偵が行く (集英社文庫)』の著書である中島らもさんの身内言葉から1980年代頃に全国区に広まったという記述がある。

 直近の2016年から始まったせんべろブームでは、酒2杯につまみ1品で千円以内の予算がせんべろの定義といわれている。いま1番せんべろに力を入れているのは沖縄で、酒3杯につまみ1品のせんべろメニューがある横丁系の飲み屋が多く存在する。だが、大阪ではせんべろをウリにする店は少ない。大阪には1時間千円で飲み放題のコースを設ける居酒屋がゴロゴロあるからだ。