1500年代の貴族の館に泊まる

 古い歴史を持つレジデンツァ・デポカには一度泊まってみたいと思っていたが、あまりに高額なところは手が出ない。インターネットの宿泊予約サイトでスポレートの宿を探していた時、ラッキーなことに『Palazzo Dragoni(パラッツォ・ドラゴーニ)』という16世紀の館のスペシャル・オファーが出ていた。シングルユースで一泊90ユーロだったので即座に予約した。

 館に着くと、落ち着いた物腰の上品な紳士が「ようこそ」と出迎えてくれた。お仕着せの制服ではなく、私服であるところに普通のホテルとの違いを感じる。ロビーには、年代物らしき調度品や衣装、絵画やシャンデリアがさりげなく配置され、贅沢でありながらもアットホームな雰囲気を醸し出している。チェックインが済むと、紳士は「鍵はお部屋のドアに着いています。どうぞごゆっくりおくつろぎ下さい」と言って静かに去っていった。

 古風な鍵を回してドアを開けると、広々とした空間にアンティークの家具が品良く収められた部屋が現れた。高い天井には、16世紀の装飾がそのまま残されている。なんだか別の時代にタイムトリップしたような気分になってきた。

 





アンティークの家具やシャンデリアがさりげなく置かれ、落ち着いた雰囲気のロビー(上)。それぞれ趣が異なる客室は全部で15室。WiFiもテレビもあるが、最新テクノロジーは必要最低限に抑えられている(中)。天井一面に描かれた装飾はオリジナル(下)