文と写真/タカヤマコジロー

 

なにしろラーメンが好きなもので。
わざわざ飛行機に乗って、広島にラーメンを食べに行ってきました。

 

2022年3月21日、羽田発広島行き。
鹿児島、沖縄、広島と3週続けて麺旅。2017年から数えると55都市目になる。広島県は尾道を訪れているが、広島市内は初訪問となる。
「まん防」最終日(祝日)、羽田空港、機内とも比較的空いていた。この日は向かい風が強く定刻より20分遅れて広島空港に到着。

 

飛行機遅延のため待機していた高速バス(1,370円)に、一服していたら乗り遅れ。広島駅に到着すると、今度は路面電車が10分の遅延。密の満員電車、十日市(180円)で下車。そこから徒歩3、4分ほど、路地裏のビルの谷間にある「めん 呼白」に予定より1時間以上遅れて到着。ピーク時に重なり20人以上の大行列。祝日で若者、カップルが目立つなか、ラーメンオヤジまさかの80分待ち。飛行時間より長いですわ(笑)。

 

「めん 呼白(よはく)」/広島 十日市

2021年11月末にオープンしたばかりの新店。メニューは「醤油」と「いりこ」の2種。列に並んでいる途中に店内の券売機で「醤油」(830円)とトッピングに「鴨ロース」(300円)を購入する。
民家を改装した店内は和モダンの落ち着いた品のいいインテリア。きれいな杉の一枚板のカウンター席に案内される。

 

10分ほど、醤油の香りがふわっと立ちのぼる、美しい有田焼の器で提供される。レアチャーシュー、太いメンマ、葱のシンプルできれいな麺姿。鴨ロースは別皿に。
熱々のスープを啜る。思わず旨いと唸る。
レンゲではなく器から直接啜ってみると器の淵は口あたりやさしく、地鶏の丸鶏とガラから抽出したコクのある鶏清湯(おそらく鶏と水のみ)の旨味がダイレクトに伝わってくる。最初は香り高い生揚げ醤油の酸味、コク、フレッシュさを感じ、数種類の醤油の絶妙なハーモニー、旨味がじわじわと口いっぱいに溢れる。

 

北海道産の小麦「はるゆたか」をメインに毎朝作られるという自家製麺は、艶やかで香り豊かでしっとりとした食感。スープとよく絡み一体感を生んでいる。ツルツル、たおやかで喉越しがいい。
レアチャーシューは肉の旨味に溢れ、トッピングの味付けはスープ、麺とのバランスよく素晴らしい。

 

そして驚きの鴨ロース。火が入り過ぎないようにスープに絡めていただく。厚みがあり皮目は焼かれて香ばしく、しっとりとした食感、噛むと鴨の旨味がじゅわじゅわっと広がる。


スープは後半になると麺の小麦と融合して、よりマイルドで豊潤なスープに変化する。「最初に濁りのない“一番旨いスープ”を味わって」という名店も多いのだが、こちらは最後の一滴まで旨い。


丁寧な所作の秀逸な一杯に広島で出会う。
わざわざ飛行機に乗って、また食べに来たい。
おいしかったです。ごちそうさま。