非常事態宣言が解除されたイタリア各地に、国内・海外から大勢のツーリストが戻ってきた。スーツケースを転がしながら通りを行き来する人々の姿が日常風景の中に再び見られるようになり、長い間抑え込んできた旅への欲求が、日に日に高まってきている。
 5月はイタリアを旅するのに最も適した季節。スカッと晴れた青空が広がり、陽差しもまだ強すぎることはなく、肌を撫でるそよ風も涼しくて心地良い。どこかへ旅したいという気持ちが自然と湧きがってくるのがこの季節なのだが、かといって長いバカンスに出るにはまだ時期尚早な気がする。そこで今回は、週末の2〜3日でこの季節の美しさと旅情を満喫できる小旅行スポットを厳選してご紹介したい。いずれも街歩きと周囲の自然散策の両方を楽しめるスポットなので、短期間でもたっぷり旅の醍醐味を堪能できるはずだ。

 

1・アッシジ 

小高い丘の上にあるアッシジ旧市街は坂道だらけ。街歩きというよりトレッキングをしているような気分が味わえる。パノラマスポットや周囲には自然散策路もある。

    日本でも既にお馴染みの世界遺産の街・アッシジは、四季折々の自然美を楽しめるスポットだが、5月の美しさはまた格別のものがある。一年中、世界各地から巡礼者や観光客が絶えない街なのだが、実はこの街に宿泊する人は意外と少ない。ローマやフィレンツェ、ペルージャなど近隣の都市から日帰りで訪れる人が多いからだ。聖フランチェスコ大聖堂や教会など、いわゆる観光スポットを回るだけなら日帰りでもいいだろう。しかし、この街の本当の魅力を知りたいなら是非とも宿泊してみて欲しい。昼の賑やかさとは対照的に、ひっそりとした静寂に包まれた夜のアッシジの街には、どこか神秘的な雰囲気が漂っている。夜のアッシジを散策すれば、この街がイタリアでも指折りのスピリチュアル・スポットとして知られる所以を体験できるだろう。

 

人影もまばらな夜のアッシジの旧市街。静寂に包まれた街には、どこか神秘的な雰囲気が漂っている。