新型コロナ第二波の感染拡大防止策として全土を3色のエリアに分け、段階的な移動制限を実施しているイタリアに、ようやく明るい兆しが見えてきた。昨夜のイタリア保健省の発表によると、国内の現行感染者数が約2ヶ月ぶりに減少に転じた。各地の医療現場の状況は今もなお逼迫しているが、一昨日まで1万人以上の増加が続いていた現行陽性者数は昨日一気に9000人以上減少し、それに反比例して回復者数が急速に増加した。12月のクリスマスシーズンを目前に控え、微かな希望の光が差し込んできたように思える。コロナ第二波に揺れるイタリアの現在の様子をローマからレポートする。 (本文中のデータは2020年11月23日現在のもの)

 

エリアによって大きく異なる感染状況

 11月6日から感染拡大防止策として、イタリア全土を危険度によって3つのゾーンに色分けした移動制限が実施されているが、当初4州だったレッドゾーンはこの2週間で8州にまで拡大した。イエローゾーンだったエリアも危険度が徐々に上がり、今日現在では国の大半がオレンジ、レッドゾーンになってしまった。最初にレッドゾーンに指定されたロンバルディア州、ピエモンテ州、カラブリア州、ヴァッレ・ダオスタ州は15日間の封鎖期限を12月3日まで延長せざるを得ないという厳しい状況が続いている。加えて、第二波ではナポリを中心とするカンパニア州やフィンレンツェがあるトスカーナ州、人口密度が低いヴァッレ・ダオスタ州やボルツァーノ自治県(トレンティーノ=アルト・アディジェ州)も危険度が最も高いレッドゾーンに入り、同エリアの市民は厳しい規制の中での暮らしを余儀なくされている。感染者の数だけで見ると比較的少ないエリアでも、医療施設のキャパシティや感染の拡大速度、陽性者の中で症状がある人の割合が高ければ危険度は高くなる。ミラノを州都とするロンバルティア州はイタリア国内でも医療施設が充実しているエリアだが、11月23日現在、州内で新型コロナで入院している患者数は8331名、集中治療患者は945名。対して、ローマがあるラツィオ州では入院患者は3351名、集中治療患者は335名と状況に大きな違いが出ている。カンパニア州やカラブリア州では医師や医療スタッフが不足しており、引退した医師などのボランティアを募る告知がテレビなどでも頻繁に流れるようになってしまった。昨夜のデータの数字だけを見ると明るい兆しが見えてきたように感じるが、医療現場ではこうしている今も、医師や看護師、スタッフたちが一人でも多くの命を救おうと懸命な治療に当たっていることを考えるとやはり胸が痛む。

 

11月6日から感染拡大の危険度によりレッド、オレンジ、イエローに分割されたイタリア。右は11月6日に発表された州ごとの危険度別Map、左は11月23日現在のもの。2週間の間に国内のほとんどの州で厳しい移動制限が実施されるようになった。(出典:イタリア保健省サイト)
3月からのイタリアの新型コロナウイルス感染状況を示すグラフ(出典:Il Sole 24 ORE/ 桃色は現行陽性者、緑色は完治者、黒色は死亡者、赤色はケースの総計)。10月半ばから急激に増加した新規陽性者数が11月初旬から急下降し、現在は回復者数が急速に増加している。