新型コロナウイルスの感染「第二波」が吹き荒れている欧州。10月上旬までは近隣諸国に比べて状況が安定していたイタリアだったが、当初から懸念されていた秋の第二波はやはり来てしまった。それも急激に。春の全国ロックダウン以降停滞していた経済活動が微力ながらもどうにか安定して回り始めた矢先、徐々に増加傾向にあった新規感染者数が一気に爆発した。短期間のうちに日々状況は悪化し、感染者数、重篤者数、死亡者数が急激に増えた。こうした事態を鑑み、新たに発令された首相令により、11月6日から感染拡大が深刻なエリアでは再びロックダウンを余儀なくされる事態に陥っている。危険度によって3つのゾーンに分断されたイタリアの現在の様子をローマからレポートする。

 

急激に襲ってきたコロナ「第二波」

 全国民が辛酸をなめた春のロックダウンを経て、夏には一旦感染が収まっていたイタリアだったが、学校が新学期をスタートした9月中旬以降、徐々に新規感染者が増え始めた。秋のコロナ感染第二波は兼ねてから懸念されていて、夏には恐る恐るバカンスを楽しんだイタリア国民もそれは常に頭の片隅にあったと思う。新学期が始まり、街中での人の動きが活発化するにつれPCR検査を受ける人の数がだんだんと増えていった。検査を受ける人の数が増えれば新規陽性者数も当然増えてくるのだが、PCR検査で陽性と出ても実際には無症状の人がほとんどで、10月も初旬までは医療機関の状況もなんとかコントロールできているように見えた。しかし10月中旬に入って状況が一変した。

 10月10日の時点では1日の新規陽性者数は4719人、集中治療患者数は390人、死亡者は29人だったのが、十日後の20日のデータでは、1日の新規陽性者数が8736人、集中治療患者数は870人、死亡者は89人に急増。21日には1日の新規陽性者が1万人を超え、集中治療患者数も1049人にまで増えてしまった。この時点から感染拡大は一気に速度を増し、10月21日以降は連日1万人以上のペースで1日の新規陽性者数が増え続け、死亡者数も3桁になってしまった。一度勢いがつくと恐ろしいほどのスピードで感染が広がっていくのは春にも経験したが、第二波の速度と拡散力はさらに強いように感じる。10月末には1日の新規陽性者数は2万人を超え、11月3日には1日の死亡者数が350人を超えた。11月10日の今日のデータでは、1日の新規陽性者数が16,776人、集中治療患者2,971人、死亡者は580人増えている。感染拡大の歯止めがどうにもかからない状況に陥っている一方で、経済的に窮地に追い込まれ、もう後がないという声も日増しに強くなってきている。

 

3月からのイタリアの新型コロナウイルス感染状況を示すグラフ(出典:Il Sole 24 ORE)。桃色は現行陽性者、緑色は完治者、黒色は死亡者、赤色はケースの総計を示す。10月半ばから完治者数がほぼ横ばいなのに対し、新規陽性者数が急増しているのがわかる。