文と写真/タカヤマコジロー

 

なにしろラーメンが好きなもので。
わざわざ飛行機に乗って、旭川にラーメンを食べに行ってきました。

 

2022年4月4日、羽田発旭川行き。
東京は寒の戻り、前夜からの雨で肌寒い。羽田空港はビジネス、春休みの観光客が多く、だいぶ活気が戻ってきた。JALサクララウンジにて、いつものビール。やっと朝からビールが飲めるようになった。僕の旅はいつも“ラウンジビール”から始まる(笑)。

 

この日の機材は国際線仕様767。クラスJはフルフラットになるビジネスシート。+1,000円で当日アップグレード。(4月15日から2,000円に変更)。窓側で独立したシートで快適熟睡、定刻通り旭川空港に到着。

 

旭川に到着すると雲ひとつない快晴。東京よりも暖かいくらい。空港バス(630円)に乗り50分ほどで旭川駅に到着。旭川は全国でも有数のラーメン激戦区。旭川駅から800メートル四方に全国展開している「山頭火」「梅光軒」をはじめ、地元に根付いた旭川ラーメン店が実に30店以上も密集している。そんな旭川でのラーメン巡りの出発点は「旭川らぅめん青葉 本店」と決めている。

 

「旭川らぅめん青葉 本店」/旭川

旭川ラーメンの元祖といわれ昭和22年に屋台でスタート、創業70年を超える老舗。暖簾をくぐると、いつもと変わらない温かい出迎え。家庭的な雰囲気のお店だ。カウンター席はいっぱいでテーブル席に案内される。創業以来の味を伝承しているという「正油らぅめん」(800円)を注文する。手際がよく、待つことなく提供される。

 

いつも変わらぬ姿。澄んだ褐色スープに、大きな豚バラチャーシューに、特製の海苔、ネギ、メンマ、ラードの脂がほどよくスープの表面を覆っている。

まずは、スープをひと口いただく。熱々でコクのある奥深いスープは、格別に旨い。
スープは豚骨と鶏ガラをベースに利尻昆布、煮干し、野菜を入れて時間をかけてじっくり煮出しているという。

現在、ラーメン界では、素材にこだわり化学調味料を使用しないラーメンが増えている。「青葉」は昔から化学調味料を使っていない。スープはパンチがあるのだが、尖ってなくて丸みがありどこまでもマイルド。動物系に魚介の旨みが絶妙に配分されたスープは絶品。昔と変わらぬ味、いやさらに旨くなっている。

 

麺とスープのバランスが絶妙。加水率少なめの自家製の中細のちぢれ麺はスープの旨味を吸収し、さらにスープをすくいあげてくれる。しなやかな麺で、喉越しもいい。

チャーシューはホロホロで旨い。

ラードの効果で最後まで熱々のスープを飲み干し完食すると、丼の底には、長年使われてかすれてしまった「感謝」の文字が見える。

 

若かりし1990年代、東京では環七ラーメン戦争と呼ばれて、こってりラーメンがムーブメントだった。当時、仕事で訪れた旭川で初めて食べた「青葉」での一杯は衝撃だった。こってりラーメンや東京のいわゆる中華そばが、なんとなく味気なく感じられて、一時期東京でラーメンを食べなくなった記憶が蘇る。

僕のなかでの「中華そば」の原点はここにあり。

 

進化する中華そば。
おいしかったです。ごちそうさま。