非常事態が解除された直後から、イタリア各地の代表的な観光地には欧米からのツーリストが押し寄せてきている。日本のゴールデン・ウィークに相当する欧州の復活祭の休暇は、観光業界にとってはかき入れどき。過去2年、この時期は厳格な行動規制が敷かれていて、断腸の思いで仕事を見送ったホテルやレストランも今年はフル稼働し始めている。

 気候も爽やかで新緑が美しいこの季節、イタリアは欧州でも1、2を争う人気の観光国である。先日小耳に挟んだニュースでは、欧米のツーリストに「復活祭休暇に行きたい街」というアンケートを行ったところ、ローマが第一位であったらしい。そんなことを思い出しながら旧市街を歩いてみると、なるほど、どこもかしこもツーリストでごった返している。多くはイタリア各地から国内旅行で訪れた人たちだが、ドイツやフランス、アメリカ、南米からの旅行者も相当いる。新聞記事によれば、スペイン、イタリアは海外からの旅行者に人気が高く、その理由として「人口のワクチン接種率の高さ・発生率の減少・オミクロン株の危険性の低下」などが挙げられているという。美しい自然環境や歴史・文化・食事など、観光客を引き寄せる要素はさまざまだが、コロナ後は滞在先のコロナ対策や感染状況も旅行先を選ぶ一つの大きな要素になっていることがわかる。

 イタリア人にとってもイタリア国内の観光地は人気の旅行先となっていて、復活祭休暇中に旅行を計画している人の89.5%は国内の旅行先を選んでいるそうだ(Federalberghi調べ)。2022年の復活祭期間の観光業界の売上高はコロナ以前の2019年の50%かそれ以上になると予想されていて、その額は70億6000万ユーロと見込まれている。

 



ローマ市庁舎があるカンピドーリオの丘へ向かう旅行者たち。市庁舎の裏手に広がるフォロ・ロマーノの遺跡にも多数のツーリストの姿が見られる。



上はツーリストでぎっしり埋まった4月中旬のパンテオン前の広場の様子。下の写真は2020年5月初旬の同広場。