文と写真/サラーム海上

 

モロッコ北部山中の小さな町、シャウエンへ 

 2016年7月、モロッコでは世界最小の音楽祭「ジャジューカ音楽祭」で三度目の取材を行い、その後に北部の山中にある小さな町シャウエン(またはシャフシャウエンとも)を初訪問した。

 

 シャウエンはリフ山脈の山の斜面に広がる人口3万人ほどの小さな町。15世紀に要塞として建てられた旧市街の壁面が水色に塗られていることから「青の町」と呼ばれ、標高が約1000mと高く、夏でも涼しい気候のため外国人旅行者の間で人気が高い。

 マラケシュやフェズの巨大で迷路のような旧市街とは違い、この町の旧市街は初めての人でも迷うことなく歩いて回れるほどのこじんまりとした規模。

 三日間にわたった摂氏43度、灼熱のジャジューカ音楽祭(こちらについては時間は前後してしまうが、後日に書くつもりだ)終了後、僕は6人の友人たちとシャウエンを訪れた。

 町の中心の広場で車から降り、大きな荷物を引きずって石畳の旧市街に入ると、小さな町の規模にしては驚くほど外国人観光客が多いし、道の両脇にはカラフルなお土産物を置いたお店が延々と続いている。しかも、カラフルな麦わらバッグや帽子、ハーブ入りの石鹸など、置いているものも、モロッコの他の町で売られている同じものよりも明らかに趣味が良い。しかも値段も安い。これは長居してしまう人の気持ちがわかるなあ。

 



人気のリヤドにチェックイン


旧市街の水色の壁面に、洒落たお土産が並ぶ

 さっそく旧市街中心に建つ人気のリヤドにチェックインを済ませ、友人たちと街歩きに出た。お土産屋をひやかして歩き、アルガンオイルや石鹸、金属細工などを買っていると、少しお腹が空いてきた。時計を見ると午後3時半、思えば早朝にジャジューカ村で朝食を食べて以来、何も食べていなかった。

 日本を出る前に、福岡でモロッコ専門の旅行会社「サラム・モロッコ」を営む友人の大西久恵さんから「シャウエンに行ったらバブ・スールというレストランに行って下さい。もしそこの料理が気に入ったなら、ご主人サイードさんを訪ねるといいです。彼は日本に20年以上暮らしていたので日本語がペラペラです」と言われていた。そこで、町の広場の裏側にある『バブ・スール』を訪れることにした。

 



町の広場、外国人旅行者も多い