文と写真・サラーム海上
エルサレム旧市街観光ツアー
2017年9月12日、エルサレムのフェスティバル『メクデシェット』二日目。午前中は僕たち三人の外国人プレスのためガイド付きのエルサレム旧市街観光ツアーからスタートした。
僕はこのツアーに参加するのはこの5年間でなんと4度目。時差ボケが抜けないので本当は午前中くらいはホテルでゆっくりしていたいところだし、イスタンブルやデリーなら間違いなくスキップするが、エルサレムに関しては毎回何かしらの発見があるので今回も参加することにした。
女性ガイドのポリーンに案内され、ダビデ門からキリスト教地区、イスラーム教地区、ユダヤ教地区を抜け、嘆きの壁を参拝し、キリストが十字架にかけられるまで歩かされた道、「ヴィアドロローサ」、そして、聖墳墓教会を要領よく回った。
訪れる度にそれまで見えずにいたこの町の古層が見えてくるし、この国を取り巻く情勢により観光客が大きく増減し、町の風景も移り変わって見える。今回は南米から来たキリスト教巡礼者の姿が目立った。









一気に歩き回り、ユダヤ教地区の広場の日陰で一休みすると、ポリーンが自らのストーリーを話してくれた。
「私の両親はアルジェリア生まれのユダヤ人で、1950年代にフランスに渡り、1980年代にこの国に移住しました。私の十代の頃は第一次インティファーダの爆弾テロばかり続いていました。だから今も、この場所が本当に安全かどうかを常に気にしながら行動する癖が抜けません。今はヨルダン川西岸地区のC地区(イスラエル軍が行政権、軍事権共に実権を握る地区)にあるキブツ(集団農場)に暮らしています。パレスチナ人と共同で運営している左翼的なキブツです。そして、エルサレムには毎日、チェックポイント(イスラエルと西岸地区を隔てる検問所)を超えて働きに来ています」
遺跡を見て回るより、地元の人と話すほうがやっぱり僕には興味深いなあ。
