旅に出かけると、普段とは全く異なる環境の中で過ごすことになる。それが旅の楽しみでもあるけれど、知らず知らずの内にストレスになっていることもある。乗り物酔いをしてしまう人もいるし、下痢や便秘といった症状に悩まされる人もいるだろう。知らない町を歩いたり、綺麗な景色を眺めたりするとリラックスできるという場合もあるが、いつもと違う環境に行くことが緊張を生み、逆にストレスを感じてしまうケースも少なくない。

 何年か前のことだが、宿泊したホテルが汚すぎて、どうしても部屋にいたくなかったので、ずっと外で飲み歩こうとしたことがあった。だが、その街の飲食店はどこも夜の12時には閉店してしまうという。仕方なく薄暗いロビーを通って部屋に戻り、悶々として一夜を明かした。翌朝目覚めると体中に湿疹が出てしまった。この時は部屋が汚くてかぶれたのかと思ったが、ストレスによるものだったのかもしれない。 

 ストレスの影響が肌に出やすい人の場合、旅先で急に肌がヒリヒリしたり、皮むけしてしまったりして慌てることもある。特にまぶたは皮膚が薄いので、かいたりこすったりしていると肌荒れが起きやすいので要注意だ。まぶた? 意外に思う人もいるだろうが、女性の心と体の問題をクローズアップしているWEBメディア『健タメ!』にこんな記事があった。まぶたが痒くなると、メイクもできない。原因はストレスなのだろうか? 

『亜由美さん(38歳)はストレスがたまって疲れたときに、きまって体が痒くなる。子どもの頃はアトピーで顔中がガサガサになっていた。大人になってからは症状が落ち着いたものの、ときどき猛烈な痒みに襲われる。
 特にひどいのがまぶたの痒みだ。こすり過ぎたせいか目の下にはクマができ、皮膚が皮むけしてしまっている。こうなると洗顔しただけでもピリピリする。とてもメイクができる状態ではなく、気分転換に外出することもままならない。
 痒みのせいで家事をする気になれず、夕食をデリバリーで済ませたときの夫のひとこと。「まぶたがかゆい、ただそれだけで?」
 家事を放棄するダメな妻かのような言い方に心底がっかり……。夫は何もわかってない! 他人には理解してもらえない、つらい痒みを解消する方法が知りたい』(『健タメ!』より)

 

 確かに、まぶたが痒いといわれても、それほど深刻なものだとは普通は考えないかもしれない。本人にしか分からないつらさなのだろう。それにしても旦那さんの一言はないだろう。アトピーは精神的なストレスや体質が関係しているとも考えられているし、心ない発言は症状を悪化させかねない。心身のバランスをととのえることが大切なのかもしれないのだ。「亜由美さん」はどんなことに気を付けたらよいのだろうか。

 そこで当サイトでは記事を掲載している『健タメ!』編集部にお願いし、亜由美さんの症状を分析すべく薬剤師である二瀬偉志先生にお話を聞いてみた。

 

 「まぶたは非常に皮膚が薄くデリケートなので、痒みなどのトラブルが起きやすい部位です。アトピー性皮膚炎による痒みには、まず目の周りをよく洗って冷やした後に処方薬を塗ると良いでしょう。痒いからと何度もこすっていると皮膚だけでなく、まぶたのすぐ裏にある角膜を傷つけてしまうこともあります。かいたりこすったりせずに乗り切ることが大切です。
 メイクができないからといって、おしゃれもせずに家に閉じこもっているとストレスがたまってしまいます。アイメイクができないときは、髪型やネイル、ファッションでおしゃれをするなど、リフレッシュの方法を工夫しましょう」

 

 アトピーの症状があると、あれもこれもできないと我慢することばかりが増えてしまう。それがかえって良くないということなのだろう。アトピー性皮膚炎は皮膚の炎症を伴う病気で、精神的なストレスや体質が関係しているとも考えられている。もともとアレルギーを起こしやすい体質の人などに多く見られ、なかなか治らずに慢性化しやすいのも特徴だという。そうはいってもまぶたが痒いのは耐え難い。ストレスケアに気を配りながら、痒みの症状を抑える良い方法はないだろうか?


 「根本的な改善を目的とするのであれば漢方薬の服用もオススメです。皮膚がカサカサに乾燥して痒みが出る方には、肌に栄養と潤いを与えて症状を改善する当帰飲子(トウキインシ)がおすすめです。体内から余分な熱を引かせてかゆみの症状を鎮める消風散(ショウフウサン)なども良いと思いますよ」(二瀬偉志先生)

 

 亜由美さんがつらい痒みから解放され、家事を楽々こなせる日は来るのだろうか。まぶたの痒みやアトピーの症状にお悩みの方は、一度漢方医に相談してみるのがオススメだ。漢方薬を選ぶときに重要なのは、その人の状態や体質に合っているか、ということ。うまく合っていないと、場合によっては副作用が生じることもあるからだ。「漢方薬」は、漢方医学の理論に基づいて処方される医薬品のことである。どの漢方薬が自分に合うのかを見極めるためには、プロの力を借りるのが安心だ。

 漢方薬に興味はあるけど漢方医を知らないという人もいるかもしれない。最近はオンラインによる漢方サービスもある。こうしたサービスを使って、相談してみるのも一つの方法だろう。

 

 


取材&記事:TABILISTA編集部/
「健タメ!」 
https://www.kamposupport.com/kentame/archives/8704