日本には人知れぬローカル横丁もある一方で、誰もが知っている横丁も存在する。しかし、有名な横丁であっても時代とともに変化するもの。日本の横丁の今はどうなっているのか。これは、元底辺キャバ嬢カワノアユミが織りなす横丁探訪記である。。

 

■これぞ時代の境界線…平成と令和の狭間を歩く

EKIZO神戸三宮

EKIZOと並行する、平成の横丁「サンキタ通り」(右側)

 あらゆる都市で再開発計画が進む日本。だが、工事がなかなか進まないゆえに街の景観がちぐはぐなエリアを見かけることがある。その代表例といえるのが現在の神戸だろう。阪急神戸線とJR神戸線が交差する旧・神戸阪急ビル東館。昨年6月に神戸三宮阪急ビルとしてグランドオープンした。上層階にはホテルやオフィスなどが入る複合施設だが、特に注目されているのが高架沿いに新しくできたグルメエリアである。

 高架沿いにニューオープンした、グルメエリア「EKIZO神戸三宮」は、海側と山側それぞれの飲食店の店頭にテラス席を設けている。この数年、国内のあらゆる街で昭和レトロをモチーフにした横丁がオープンしている。そんな横丁ブームの中、おしゃれなテラス席の横丁風グルメ街を作るとは……さすが神戸。開放感溢れるテラス席はウィズコロナの時代にマッチしたのか、週末になると多くの若者で賑わっている。

 しかし、そんなおしゃれな「EKIZO神戸三宮」と平行するのが「三宮阪急前商店街(通称:サンキタ通り)」なのだが、これがまぁ平成のままなのである。チェーン居酒屋、カラオケ、買取りDVD……。平成を象徴するようなド派手な看板の数々。ここはまさに冷静と情熱のあいだ、ならぬ「平成と令和の狭間」? 三宮駅方面から見渡すと「時空が歪んでいる?」と錯覚すら覚えてくる。

 

■震災、コロナ禍…復興と開発が進んだ神戸の昭和遺産とは?

EKIZO海側。周辺の店とのギャップがすごい

シャッターが目立つ元町高架通商店街

 サンキタの歴史は古く、昭和28年に神戸で初めてアーケードを作った商店街だ。昭和63年にアーケードが完成したため、平成7年に発生した阪神・淡路大震災ではそこまでの被害を受けなかった。昭和の名残があった店舗は今もさほど変わることなく、復興を経て今の形になった。

 とはいえ、コロナ禍のせいかサンキタでも数軒の空き店舗が目立つ。それは高架商店街も同じで、都市開発が進む裏では閉店する店もあることを実感する。昔は古着屋や靴屋が多く、おしゃれな若者が買い物に訪れる「元町高架通商店街」。現在はシャッターが目立つが、テナントは最盛期のときのまま家賃が下がっておらず、新しい店舗がなかなか入らないという。

 神戸は震災前、そして震災以降と目まぐるしく街が変遷した。昭和から残る店は点在しているものの、横丁と言われる通りなんてあるのだろうか……? だが、話を聞いてみると元町の地下通路に昭和風情が残る「有楽名店街」なる地下街があるという。早速行ってみると、阪神元町駅の改札の奥にその通りはあった。元町駅は今まで何回も利用したことがあったけれど、この名店街に入るのは初めて。なんだ、この楽しそうな地下街は……⁉