突然ですがクイズです! この本のタイトルと作家の名前は?

「おっ与謝野晶子の『みだれ髪』じゃないか」とすぐ分かった方、素晴らしき!

今回のおみくじ旅は、大正から昭和、激動の人生を歩んだ与謝野晶子に縁の深い大阪府堺市の開口神社である。西暦200年頃、神功皇后が航海の神・塩土老翁神を祀るため、創建されたと伝えられている。

山之口商店街を曲がったところにひょっこりあるが、鳥居をくぐると意外な広さにビックリ。見回すと境内にあちこちに小さな神社がある。その数なんと22社!

その中をくるっぽーくるっぽーと気持ち良さそうに散歩している。嗚呼、のどかやな……。
 

南海本線堺駅より徒歩10分、南海高野線堺東駅より徒歩15分。 赤い鳥居とご神木のクスノキに青空が最高に映えて良き。

昔は行基の念仏寺も建てられていて通称が「大寺」だったことから、現在も地元の方々には「大寺さん」で親しまれている。

この本殿の向かって右に与謝野晶子の歌碑がある。というのも開口神社と与謝野晶子の生家である和菓子屋「駿河屋」はご近所さん。とても縁が深いのだ。きっと何度もここを訪れたはず。

 

歌碑2016年に作られたものなので、まだとてもキレイ。

「少女たち開口の神の樟の若枝さすごと伸びて行けかし」
(故郷の少女たちよ、開口の神の大クスノキから新しい枝が生まれるように成長してください)
晶子が故郷の若い女性に向けて詠んだ歌が刻まれている。


与謝野晶子といえば、恋に生きたイメージがある。22歳で歌人・与謝野鉄幹と不倫関係になり、23才で大阪の実家を飛び出して鉄幹のいる東京に行き、すったもんだんの末結婚。『みだれ髪』も鉄幹への情愛に溢れた愛がいっぱいで、なかなか色っぽいというか生々しいというか。自分の感情に素直で行動力も凄まじき!

仕事に対するバイタリティも素晴らしく、60歳のとき関東大震災で『新訳源氏物語』の2度目の訳の原稿を焼失したが、めげず『新新訳源氏物語』を完成させたというエピソードは感動で震える。

様々な逆風やトラブルをものともせず、妻として母として(12人の子持ち!)歌人としてエネルギッシュに生きた彼女からパワーをいただきたい!

いつもは恋と名の付くみくじは引かない主義だが、今回は小銭が無いにもかかわらず、両替してもらってまで引いてみました「晶子恋歌みくじ」(300円)。
 

和紙にくるまれた筒型のおみくじ。私は黒をチョイス

筒を開けると、なんということでしょう……! カワイイ水引まで入っている!


 

水引は航海の無事を祈る御守りだったのだとか。水引は形が4種類、色も何色かあるらしい。私はオレンジピンクの「開運の華」が入っていた。これは集めたくなるなあ。

願事も旅行も発見商売も勉強も転居もオッケー、待ち人も来るし縁談はいい……と晶子様、ひたすら背中を押してくださる。なんとやさしいのか!

とてもかわいいおきつねさんのおみくじ(500円)もあったので引いてみる。

 

お尻の紐を引っ張ると、スルンとおみくじが出てくる

紙の表裏を使い、日本語英語中国語韓国語の4言語で記されている。グローバル!

 

しかしこちらはなかなかキビシイ。「小吉」なのに、全体的に「過信するなよ過信するなよ過信するなよ」と念を押す内容だ。金運に至っては「苦労します」とキッパリ。
これで小吉なら凶はどんな感じなのだろう(汗)……。

晶子恋歌みくじのやさしさが改めて身に沁みる。そこで家に帰り、本棚に飾ってあった「みだれ髪」を出してみた。
おみくじに誘われ与謝野晶子リスペクト……。開口神社のおぼしめしなのかも。

よし、もう一度読んでみよう。
 

『みだれ髪』の挿絵は藤島武二。こちらも最高!