文/チョン・ウンスク

 

 日本のTVドラマ『孤独のグルメソウル出張編では、五郎さんが焼肉を楽しんでいた。牛カルビはあたりまえ過ぎるから登場しないだろうと予想していたが、案の定、メインはテジカルビクイ(豚肉の味付け焼肉)で、さすが人気番組と感心した。

 日本では韓国焼肉=牛肉というイメージが強いかもしれない。だが、牛焼肉は高価で、韓国でも“ごちそう”だ。庶民に気軽に食べられているのは豚肉のほうである。今回は、五郎さんが食べていたテジカルビの魅力についてお伝えしたい。

 

安くて当たり外れがない

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ソウルの薬水駅近くの人気店『ウソンカルビ』のテジカルビ。豚でも牛でもカルビは本来、骨付き肉のことを指す

 

 豚肉の質や管理方法の向上によって、豚肉を味付けしないでそのまま焼いて食べるサムギョプサルが普及して久しいが、80年代頃までは肉の質を味付けでカバーしているようなテジカルビのほうが存在感があった。

 もともと牛肉よりやわらかい上、醬油や砂糖、コチュジャン、ニンニク、ショウガ、おろした果物などを混ぜた甘めのタレに漬け込むため、さらにやわらかくなる。牛肉は高価な割に肉質に当たり外れがあるし、同じ豚肉でもサムギョプサルは冷凍肉だと肉がばさばさしていたりする。その点、テジカルビは安くて当たり外れがないのだ。

 

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テジカルビはタレに漬かった状態で出てくるのがふつう

03厨房で焼かれ、皿に盛られて出てくるタイプも