若いヴォーカリストがライヴの最中にプロポーズ!

 彼らは90年代のライやシャアビのヒット曲をそっくりそのままに演奏するのではなく、ダンサブルなディスコ風にアレンジして演奏していた。そのため、最初は座り込んでいた観客もいつのまにか立ち上がり、ステージ前はちょっとしたダンスフロアと化していた。

 盛り上がりすぎたステージ前をクールダウンさせるためか、続いて彼らはスローテンポな曲を演奏し始めた。このメロディーも聞いたことあるぞ! アルジェリアの新世代ロックバンド、「Babylone」の2012年のデビュー曲「Jina」だ。「ジーナ」とはアラビア語で「美しい」や「ゴージャス」を意味する女性の名前。まだ見ぬ運命の女性を探しながら自分の道を貫くという歌詞と、アコースティックギター中心のフォーキーなサウンド、そして、地中海のビーチで撮影された旅情溢れるミュージックビデオにより、この曲はアルジェリア国内だけでなく、アラブ諸国全土で大ヒットした。Youtubeのビューワー数はなんと9700万回を超えているほどだ。

 若いヴォーカリストはそんな大ヒット曲を歌いながら、おもむろにステージを降りてきた。そして、最前列の僕の左に座っていたエチオピア系の褐色の肌の美女に向かって、ズボンの前ポケットから取り出した指輪を差し出し、その場でプロポーズをきめたのだ! 

 なんというパーフェクトなシチュエーション! 夏の夜のエルサレム、史跡ダビデの塔で、ライヴの最中にプロポーズされるなんて、彼女は予想だにしなかっただろう。彼女は突然のことに驚き、嬉し涙を流しながらも、彼のプロポーズを受け入れた。そして、その場にいた観客だれもが祝福の声をあげた。初日にスタッフから聞かされたとおり、メクデシェットにはやはり日常を超えた特別なマジックが存在する! こんなすばらしい夜、このまま明けないでくれ~!

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ジェルバ・グルーヴ・プロジェクトのヴォーカリストが最前列の女性にプロポーズ!

mekudeshet3お客さんもLEDを仕込んだ特別な衣装など、ドレスアップしてる!

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回廊の上ではチェロとハープギターの男女デュオによる前衛室内楽

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地下室ではジャズやヒップホップ、ポストロックなどの新鋭たちを聴くことができた

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日本盤アルバムもリリースしているジャズ~ヒップホップ系のトランペット奏者Sefi Zisling
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ダビデの塔には夜通しプロジェクションマッピング