文/光瀬憲子

 

■日本=弁当、台湾=便當

 先日、久しぶりに小学生のお弁当を作った。私の娘が幼稚園から高校のときはお弁当を作っていたが、大学へ進むとその必要もなくなり、張り合いがないので、ときどき小学生の姪っ子のお弁当を作らせてもらっている。

 私が台湾に渡ったばかりの90年代半ば、台湾では弁当を「便當(ビェンダン)」と書くのだと知り、その語源を調べたら「便利」とか「手軽」という意味だった。その言葉が日本に伝わり、便利な携帯食のことを「弁当」と呼ぶようになった、という説がある。

 台湾や中国にも昔から携帯食はあったが、弁当箱に入った今の形式は、日本の「弁当」の影響だという人もいる。由来には諸説あるが、今の中国や台湾で日本式の「弁当」が人気なのは確かなようだ。

台湾南部の自助餐のおかず。店内で食べる場合はトレイに入れるが、箱に詰めればお弁当になる

 台湾では外食をテイクアウトするのが当たり前。その際、紙の箱やプラスチックのケースに入れてくれるので、テイクアウト自体が弁当のようなものだ。お惣菜を自由に選べる「自助餐」(バイキング式食堂)でも、“選んだ惣菜をトレイにのせて店内で食べる” と “箱に詰めて持ち帰る” のいずれかが選べる。持ち帰りを選べば、弁当を買ったのと同じである。

なんでもテイクアウトが当たり前の台湾。嘉義の鶏肉飯もテイクアウトを頼めば鶏肉飯弁当になる
朝市の中華おこわ専門店で買ったおこわ弁当。駅弁ではなく、市場や食堂でテイクアウトしたものを列車の旅のお供に