コロナもだいぶ数が減ってきた。約3年もの戦いになろうとは思わなかった。10月9日現在で感染者数約2150万人。第7波もやっとピークが過ぎたので、ここらで本当に収まってほしい。

ということで、今回はトドメの疫病退散をしに、「薬の町」として知られる大阪市中央区道修町にある、薬の安全と薬業の反映を願う少彦名神社へおみくじの旅。
愛称は「神農(しんのう)さん」だ。黄色の虎がカワイイ!!

「日本医薬総鎮守」この字面だけでも頼もしい少彦名神社。安永9年(1780年)、薬種中買仲間の団体組織、伊勢講が、京都の五條天神宮から少彦名命の分霊をお迎えし、すでに仲間会所に祀ってあった神農炎帝とともに祀ったという。

日本の薬祖神、少彦名命(すくなひこなのみこと)と中国の薬祖神・神農炎帝(しんのうえんてい)の二柱! な、なんと頼もしい……!
頼もしいのだが、場所はなんというか、スキマ。まさにビルとビルの間!

Cap:大阪メトロ堺筋線北浜駅から5分ほど歩いたら、ビルとの間にひょっこり。道も細い!

写真を見てお分かりの通り、この日は雨。小雨なのでナメきって傘を差さなかったら、結果けっこう濡れてしまった。疫病退散のお参りに行き風邪を引くなど赤っ恥である。いらぬ後日談だが、帰りに栄養剤を飲んだ。

入り口には道修町が舞台となった小説「春琴抄」の碑が。谷崎潤一郎氏の43歳のときの名作! 右はなぜか我が家にあった「春琴抄」の初版装丁の復刻版。黒い表紙が豪華。
向かって右を見ると、虎の絵がお出迎えしてくれる。左には「少彦名神社に護られた家庭薬」という棚が3つ並び、正露丸やらカイゲンやら、私もお世話になっている薬がズラリ。神社に薬がいっぱい並んでいる画って新鮮!

このあたりは、寛永年間、堺の豪商小西吉右衛門が道修町で薬種商を開いたことがきっかけで、薬種問屋が集まる町として発展したらしい。

今でもコロナの飲み薬開発で注目を集める塩野義製薬、「トイレその後に」などネーミングセンスが直球な小林製薬株式会社、ほかに武田薬品工業、田辺三菱製薬株式会社、カイゲンファーマなど、有名な薬会社の本社がこの一帯に集まっていてビックリだ。

 しかし、なぜ薬の神社がこんなに虎リスペクトなのだろう? 調べてみると、ちょうど200年前の文政5(1822)年、上方で、死者が十数万人出るほどコレラが大流行。当時コレラは「コロリ」と呼ばれ、虎と狼が一緒になって襲ってくるとされ、「虎狼刺」「虎狼痢」と書かれることもあったのだそうだ。

「虎列剌退治」大村竹次郎(東京都公文書館所蔵)

そこで薬種業者は虎の頭骨(あああ頭の骨?!)など10種の和漢薬を配合した「虎頭殺鬼雄黄圓」というものすごい漢字の並びが怖い名称の丸薬を作った。それを神前で祈祷後、小さな張子の虎とともに庶民に無料配布したそうだ。
どんな味だったのだろう……。もう丸薬は無くなったが、張子の虎は疫病退散のシンボルとして残ったというわけだ。なるほど!

スッキリしたところで、いざ、おみくじである。200円を指定の場所に入れ、セルフで番号の紙を取るタイプ。番号の横にも、張り子の虎のイラストが描いてあってカワイイ!

少彦名神社はペット祈願でも有名。普通のおみくじの他に「わんわんみくじ」「にゃんにゃんみくじ」(200円)も。