文/光瀬憲子

 

 アイルランドに留学中の私の娘からちょくちょく連絡があるのだが、つい先日は風邪気味だというメールがあった。風邪薬はあるのかと聞いたら、「アイルランドでは風邪を引くとホット・ウイスキーにハチミツを入れて飲む」という。

 なるほど、国によって風邪の民間療法はさまざまだ。私の父は、昔から子供が風邪を引くと張り切って卵酒を作ってくれた。これがとても良く効き、ひと眠りすると風邪がすっかり治ってしまう。

 また、私がアメリカに住んでいた頃はホット・レモネードが一番だとよく言われたのを思い出した。どの文化圏でも、喉をいたわり、体を温めて眠りを促すためのドリンクが重宝がられているのだ。

■食の民間療法

 薬膳や漢方の概念が人々の暮らしに浸透している台湾では、風邪だけでなく、症状ごとにさまざまな民間療法がある。喉の痛みには梨の実を煮詰めたシロップ、胃腸の疲れには四神湯、肌荒れには白キクラゲとハスの実のスイーツ、夏の暑さ対策には緑豆のスープなどなど……。風邪のときにはとにかくショウガをよく摂るように、とも言われる。

胃腸にやさしい「四神湯」にはハトムギや山芋などが入っている。肌の調子を整える作用もあり、お酒を飲んだあとにぴったり
鴨肉の当帰スープ「当帰鴨」。当帰は鴨や羊肉と一緒によく使われるスープで、血行促進などに最適