■「おばさん」は台湾でも通じるので注意が必要

「台湾に行くとけっこう日本語が通じる」と驚く旅行者が多い。日本時代の名残で日本語の上手なお年寄りが多いというのもあったが、最近はそれよりも日本語に親しんでいる若い世代が増えたように思う。何度も日本を訪れたり、日本のアニメーションなどに触れたりしているうちに、簡単な会話を覚えたという人もいる。

 そんな台湾で使ってはならない日本語の禁句がある。「おばさん」だ。日本でも不用意に使わないほうがいい「おばさん」という言葉は、台湾では日本時代から使われていた。

 そして、日本時代の人たちが高齢者になると、言葉も高齢化したのか、おばさんは「おばあさん」を指すようになった。だから、台湾では「おばさん」イコールおばあさん、高齢者という意味にとらえられることがある。日本よりもマイナスイメージが強いので、口にしないほうが賢明だ。

 代わりに、台湾には「阿姨」(アイー)という幅広い年齢層の女性を指す便利な言葉がある。小姐(シャオジエ=お姉さん)の年代を過ぎたら「阿姨(アイー)」がおすすめだ。この言葉は30代くらいの女性から高齢女性までの、自分よりも年上の女性に使えて、マイナスイメージはほとんどない。甥っ子と姪っ子には、私を「伯母さん」ではなく「阿姨」と呼ぶよう仕込んだので、中学生になった今も2人は私を「アイー」と呼ぶ。

地方都市の人気食堂で忙しく働く女性たち。手際のいい流れ作業で行列客を次々とさばいている
台東の屋台で伝統手法の緑豆ドリンクを売る女性。息子たちも緑豆を使った料理店を経営しているが、彼女はこの屋台にこだわり続けている